無気力な神矢くんのお気に入り(断固拒否)


「ねえー、なに帰ろうとしてるの?」


放課後になり、一刻もはやく帰宅するべく席からカバンを肩にかけ、立ち上がったのに。


隣のミルクティー男に遮られた。


「……ナンデスカ」


「僕の学校案内、してくれないの?」


まじか。こいつまじか。


もう、わたしも我慢できない。

ここはガツンと言ってやろう。


「あのさ、朝のこと覚えてるよね?あんなこと言われて、あなたに親切しようと思う!?ふつう思わないよね?だからわたしは帰──」

「だめ」


ぱしっと手首をつかまれ、そのまま引っ張られた。


そして連れてこられた廊下の端。


「っはなしてよ!」


「だって帰ろうとするからでしょ」

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