無気力な神矢くんのお気に入り(断固拒否)
生徒会長としての、月はじめのあいさつ運動。
月に一回と言わず、毎週、いや、毎日でもしてほしいものだ。
正門まであと少し──!
なのに……風見先輩の姿がない。
あれ!?どうして!?
よく見てみると……いつも風見先輩が立っているところに、ミルクティー色の髪の毛をした背の高い後ろ姿の男の子がかぶさっていた。
どうやら、風見先輩と話をしているようだ。
そ、そんなあ!
邪魔!!そこ、邪魔!!
心のなかで必死に叫ぶけれど、ミルクティー頭はまだ先輩としゃべっている。
ど、ど、どうしよう!
このままじゃわたしの月に一回の最大の楽しみがあああ!
「えー、でも僕そんなの知らないし」
「いくら……だからって、決まりは決まりだからね」
ふたりに少し近づくと……途切れ途切れに会話が聞こえてきた。