無気力な神矢くんのお気に入り(断固拒否)
どうやら、風見先輩がミルクティー頭のことを注意しているみたいだ。
そりゃそうだ。
うちの高校、ヘアカラーは校則違反だもん。
注意されて当たり前。
見過ごさずちゃんと注意する先輩、かっこいいいいい!
さすが生徒会長!!
今ここで立ち止まるわけにいかないわたしは、自然に正門を歩かなければならなくて。
ほらほらさっさとのいてよミルクティー頭!!
風見先輩と目合わないじゃん~!!!!
目を合わすどころか、あいさつさえできないなんて……。
しょぼんと心のなかで軽く病み、ふたりの横をちょうど通った、そのとき。
「──僕、この子のほうが校則違反だと思うけどなあ」
がしっと腕をつかまれて……なぜか、引っ張られた。
…………へ?
目の前には、憧れの風見先輩。
わたしをつかんだのは……注意されていた、ミルクティー頭の男の子のようだ。