無気力な神矢くんのお気に入り(断固拒否)


どうやら、風見先輩がミルクティー頭のことを注意しているみたいだ。


そりゃそうだ。

うちの高校、ヘアカラーは校則違反だもん。

注意されて当たり前。

見過ごさずちゃんと注意する先輩、かっこいいいいい!

さすが生徒会長!!


今ここで立ち止まるわけにいかないわたしは、自然に正門を歩かなければならなくて。


ほらほらさっさとのいてよミルクティー頭!!


風見先輩と目合わないじゃん~!!!!


目を合わすどころか、あいさつさえできないなんて……。


しょぼんと心のなかで軽く病み、ふたりの横をちょうど通った、そのとき。


「──僕、この子のほうが校則違反だと思うけどなあ」


がしっと腕をつかまれて……なぜか、引っ張られた。


…………へ?


目の前には、憧れの風見先輩。


わたしをつかんだのは……注意されていた、ミルクティー頭の男の子のようだ。

< 3 / 15 >

この作品をシェア

pagetop