無気力な神矢くんのお気に入り(断固拒否)


「あー、同じクラスだったんだ」


立ち上がったわたしにミルクティー男が言った。

みんなの視線がわたしに集まる。


せっかく一生懸命無になっていたのに、またグツグツと煮えるようにわたしのなかの怒りと恥の感情が現れてきた。


でもここはみんなの前。しかもホームルーム中。


気持ちをぐっとこらえて急いでイスに座り直した。


「篠崎、神矢と友達なのか?それなら学校案内頼んだ」


担任にそう投げ掛けられ…………

は?

しか頭に浮かばなかった。


冗談はやめてください先生。


「先生ー、僕、篠崎さんの隣の席がいいんですけど」


は?


「おー、わかった。じゃあ、田中、席変わってくれるか?」


は?


「いいですよー」


って行くな田中くん!!!!!


「やったー、一番後ろ」


わたしの隣の席である、元田中くんの席に座ってきた、ミルクティー男。


もう、は?も出ないわ。

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