魔法の鍵と隻眼の姫
「ラミン!ラミンじゃないか!」
声を上げたのはセイラス。
5歳歳上のラミンとは幼いころから会っていて一緒に遊んだ仲だ。
突然他国の士官学校へ行くことになるまでラミンの弟のエルストンと共に遊んでもらっていた兄のような存在。
あれ以来会っていない。
「よう、セイラス。大きくなったな」
口元を上げにやりと笑うラミンは、埃まみれの異国の隊服を着て浅黒い肌に長めの白銀の髪がやけにまぶしい。
すらりとした長身にもかかわらずたくましい身体で立つ姿が幼き頃と似ても似つかなくて驚く。
自信満々の綺麗なそのブルーグリーンの目はそのままでも昔は色も白く細くて、華奢な体をしていた。
「ラミン!王子様に何て言い草だ!」
父のドリスター公爵が遠慮なしに自分より背の高いラミンにボカンと拳骨を落とし王子のセイラスに謝る。
「殿下!大変申し訳ありません!幼少の頃より親元を離れ放蕩していたため口のきき方もなっておりませぬ」
「いってえなあ~」
「い、いや、いいよ、大丈夫。…ラミン久しぶりだね?今までどうしていたんだい?」
苦笑いでドリスター公爵に手を振り諌めると頭を摩るラミンに話しかけた。
「まあ、傭兵になってあちこちの戦に参加してた…」
「それはいい、モリスデン、早く説明を」
王がラミンの話を折り、モリスデンを見据える。
「王、こやつがこの世界を救う鍵、と、なりうる者じゃ」
「なりうる?鍵を持つ者じゃないのか?」
訝しげに問う王はラミンを睨むように見つめる。
「鍵を導く者、と言った方がよいな。ミレイア様をここへ」
「いきなり会わせて大丈夫なのか?」
躊躇する王にモリスデンは頷く。
「今すぐどうこうなりゃせん。二人を合わせこれからの試練を二人が乗り越えなければならぬ」
「試練だと?」
鋭くなる目線がラミンに突き刺さる。
肩をすくめるラミン。
王女が生まれた時にラミンはこの国を出たから彼女に会うなど初めての事。
守るべき者とは王女の事なのか?
声を上げたのはセイラス。
5歳歳上のラミンとは幼いころから会っていて一緒に遊んだ仲だ。
突然他国の士官学校へ行くことになるまでラミンの弟のエルストンと共に遊んでもらっていた兄のような存在。
あれ以来会っていない。
「よう、セイラス。大きくなったな」
口元を上げにやりと笑うラミンは、埃まみれの異国の隊服を着て浅黒い肌に長めの白銀の髪がやけにまぶしい。
すらりとした長身にもかかわらずたくましい身体で立つ姿が幼き頃と似ても似つかなくて驚く。
自信満々の綺麗なそのブルーグリーンの目はそのままでも昔は色も白く細くて、華奢な体をしていた。
「ラミン!王子様に何て言い草だ!」
父のドリスター公爵が遠慮なしに自分より背の高いラミンにボカンと拳骨を落とし王子のセイラスに謝る。
「殿下!大変申し訳ありません!幼少の頃より親元を離れ放蕩していたため口のきき方もなっておりませぬ」
「いってえなあ~」
「い、いや、いいよ、大丈夫。…ラミン久しぶりだね?今までどうしていたんだい?」
苦笑いでドリスター公爵に手を振り諌めると頭を摩るラミンに話しかけた。
「まあ、傭兵になってあちこちの戦に参加してた…」
「それはいい、モリスデン、早く説明を」
王がラミンの話を折り、モリスデンを見据える。
「王、こやつがこの世界を救う鍵、と、なりうる者じゃ」
「なりうる?鍵を持つ者じゃないのか?」
訝しげに問う王はラミンを睨むように見つめる。
「鍵を導く者、と言った方がよいな。ミレイア様をここへ」
「いきなり会わせて大丈夫なのか?」
躊躇する王にモリスデンは頷く。
「今すぐどうこうなりゃせん。二人を合わせこれからの試練を二人が乗り越えなければならぬ」
「試練だと?」
鋭くなる目線がラミンに突き刺さる。
肩をすくめるラミン。
王女が生まれた時にラミンはこの国を出たから彼女に会うなど初めての事。
守るべき者とは王女の事なのか?