魔法の鍵と隻眼の姫
モリスデンは何も言わないが態度がそうだと言っている。
「俺が…俺が死ぬはずだったのに…何故だ!なんで身代わりなんて!おい!小娘起きろ!死んだらただじゃおかないっ!」
「何をしておる!やめんかっ!」
寝ているミレイアの肩を掴み揺さぶり憤りをぶつけたラミン。
モリスデンが止めに入るが掴まれた肩を払い尚も揺さぶる。
「おい!起きろって!お前が生きてなきゃダメなんだよっ!お前が生きてる世界を守ったんだ!俺が死ぬはずだったんだぞ!俺の覚悟が台無しじゃないかっ!」
「落ち着きなさい!」
「ラミン様っ!」
キースとシエラ国王に羽交い絞めにされて荒い息を吐き呆然とミレイアを見下したラミン。
生きててほしいと願い命を懸けたはずなのにその相手がその命を落とそうとしている。
静かに眠るミレイアの頬にラミンの血が付きミレイアを失うかもしれない恐怖がラミンを襲った。
「早とちりするな馬鹿者が。まだ死ぬとは限らん。お前の身代わりになったというのなら、今は負った傷を集中的に癒すために他の機能を停止してるのかもしれぬ」
「では、いずれミレイア様は目覚めると?」
呆然とするラミンの代わりにキースが問うとモリスデンは何とも言えない表情をする。
「こればっかりはわしにも分からん。目覚めるかもしれぬし、目覚めないかもしれぬ。目覚めるとしても3日後なのか、半年後なのか、1年なのか…」
口髭を撫で無念が顔に出る。
モリスデンとて、かわいい弟子であり孫とも思っているミレイアがこのまま目覚めないかもしれないなど思いたくもない。
ミレイアの命が尽きかけていたとき何とか繋ぎ留めたいと知り得る全ての魔法を施した。
しかし命は安易に操ることなど出来ない、留めることに成功したもののこれが限界。
自分は魔法使いでありながらこれ以上何の手立ても出来ないのが口惜しい。
「ヴァルミラ様なら何かできたかもしれぬ…」
賢者と呼ばれながらも大魔女ヴァルミラには遠く及ばない。
しかし何か効果的な魔法を知ってるかも知れないヴァルミラは今も眠ったまま。
「ヴァルミラ…雲の中でヴァルミラに会ったぞ!もしかしたら…」
呆然としていたラミンが突然よみがえりモリスデンに訴える。
確かに黒い雲の中で眠ってるはずのヴァルミラに会った。
もしかしたら目覚めているかもしれない。
一縷の望みを賭けて皆はヴァルミラの部屋へ向かうことにした。
キースがラミンの肩を支え、シエラ国王がミレイアを抱き上げた。
ラミンはチッと心の中で舌打ちをした。
貧血でよれよれの自分ではミレイアを抱き上げることもできない。
でも自分以外の男がミレイアに触れるのが面白くない。
こんな状況でそんなことを思ってる自分がバカらしくて嘲笑した。
「俺が…俺が死ぬはずだったのに…何故だ!なんで身代わりなんて!おい!小娘起きろ!死んだらただじゃおかないっ!」
「何をしておる!やめんかっ!」
寝ているミレイアの肩を掴み揺さぶり憤りをぶつけたラミン。
モリスデンが止めに入るが掴まれた肩を払い尚も揺さぶる。
「おい!起きろって!お前が生きてなきゃダメなんだよっ!お前が生きてる世界を守ったんだ!俺が死ぬはずだったんだぞ!俺の覚悟が台無しじゃないかっ!」
「落ち着きなさい!」
「ラミン様っ!」
キースとシエラ国王に羽交い絞めにされて荒い息を吐き呆然とミレイアを見下したラミン。
生きててほしいと願い命を懸けたはずなのにその相手がその命を落とそうとしている。
静かに眠るミレイアの頬にラミンの血が付きミレイアを失うかもしれない恐怖がラミンを襲った。
「早とちりするな馬鹿者が。まだ死ぬとは限らん。お前の身代わりになったというのなら、今は負った傷を集中的に癒すために他の機能を停止してるのかもしれぬ」
「では、いずれミレイア様は目覚めると?」
呆然とするラミンの代わりにキースが問うとモリスデンは何とも言えない表情をする。
「こればっかりはわしにも分からん。目覚めるかもしれぬし、目覚めないかもしれぬ。目覚めるとしても3日後なのか、半年後なのか、1年なのか…」
口髭を撫で無念が顔に出る。
モリスデンとて、かわいい弟子であり孫とも思っているミレイアがこのまま目覚めないかもしれないなど思いたくもない。
ミレイアの命が尽きかけていたとき何とか繋ぎ留めたいと知り得る全ての魔法を施した。
しかし命は安易に操ることなど出来ない、留めることに成功したもののこれが限界。
自分は魔法使いでありながらこれ以上何の手立ても出来ないのが口惜しい。
「ヴァルミラ様なら何かできたかもしれぬ…」
賢者と呼ばれながらも大魔女ヴァルミラには遠く及ばない。
しかし何か効果的な魔法を知ってるかも知れないヴァルミラは今も眠ったまま。
「ヴァルミラ…雲の中でヴァルミラに会ったぞ!もしかしたら…」
呆然としていたラミンが突然よみがえりモリスデンに訴える。
確かに黒い雲の中で眠ってるはずのヴァルミラに会った。
もしかしたら目覚めているかもしれない。
一縷の望みを賭けて皆はヴァルミラの部屋へ向かうことにした。
キースがラミンの肩を支え、シエラ国王がミレイアを抱き上げた。
ラミンはチッと心の中で舌打ちをした。
貧血でよれよれの自分ではミレイアを抱き上げることもできない。
でも自分以外の男がミレイアに触れるのが面白くない。
こんな状況でそんなことを思ってる自分がバカらしくて嘲笑した。