魔法の鍵と隻眼の姫
トニアスを連れて夜の商店街に繰り出す。
屋台は出ていないが旅人相手の商売をしているだけあってレストランや飲み屋は何件かあり賑わっていた。
その一つ外のテラスがあるレストランに入り通りに面したテーブルに座った。
若いウエイトレスが注文を取りに来ておすすめなど聞きながら注文しているラミンをぽーっと見つめているウエイトレスは注文を聞いてるのか聞いていないのか…?
「…と、これを。あとワインをボトルで。…おい、聞いてんのか?」
「はっ、はいっ!ワインですね!お持ちしますっ!」
顔を赤くして慌てて去っていくウエイトレスを見送りため息を着いたラミンは肘を付き通りに目線を移す。様子を伺っていた周りの女子がこっちを向いた!ときゃあきゃあ言っている。
目立つ白銀の髪、切れ長の目、薄い唇、筋の通った鼻。
美丈夫なラミンの目に留まりたいと目線の先につつつっと移動し、ほうっ、とラミンがため息をつくと女子たちまで恍惚とした顔をしてため息をつく。
周りが騒いでいるのに気にも留めずまたため息を着いたラミンにトニアスは疑問をぶつける。
「ラミン、さっきからため息ばかりついてるけど?周り見てる?女の子達がラミンを見て騒いでいるのに気にならないの?」
「あ?何が…」
全く気にしてないラミンは気だるげにトニアスに目を向けるとそれが色っぽいとまた女子が騒ぐ。
ラミンが出歩くといつもそうだったから慣れてしまって気にも留めなかったが、そう言えばミレイアと一緒に旅をしていたときはほとんどそんな煩わしいことは無かったと思い越す。
いつもミレイアが傍に居たから女子たちは近づけないでいたのを今更気付いた。
「お、お待たせしました!」
トニアスが呆気に取られてるうちに戻ってきたウエイトレスがワインと料理を持ってきた。
「ん?これは頼んでないぞ?」
おつまみを指差し見上げて来たラミンにぽっと赤くなったウエイトレスはもじもじしだす。
「あ、あの、それは私からのサービスです」
「あ、そ。そらサンキュ」
「あの良かったらこの後お話しませんか?私もうすぐ上がりなんです」
「悪いけどそんな気分じゃねえ、用が済んだら行ってくれ」
思い切って誘ったのに邪険にされてウエイトレスは顔を真っ赤にして走り去った。
まったく素っ気ない。
ワインをグラスに注ぎ一気に煽るラミンにトニアスまでもがため息。
「ラミン、ずいぶん素っ気ないよね?女の子が可哀想だよ?」
「あんなのいちいち構ってられるか」
そう言って酒ばかり飲むラミン。
いちいちってことはそれだけ声を掛けられるってことで周りが騒いでいるのも日常茶飯事なんだろう。
モテすぎて麻痺してるのではないかとちょっと羨ましいと思ったトニアスまでもがため息をついておつまみを口に放り込んだ。
「モテる男は言うことが違うね…」
ぽつりと言うとラミンはふんと鼻を鳴らす。
「お前もモテるだろうよ。可愛い顔してんだから。そこら辺の女に声を掛ければホイホイ付いてくるだろ」
「なっ!僕は可愛くなんかない!それに女性に声を掛けるなんてしない。僕にはミ…」
男なのに可愛いなんて言われたくないトニアスは、女将の言葉を引用して意地悪く言うラミンに顔を赤くしてムキになったが、言葉を切って浮かした腰をトスンと落した。
屋台は出ていないが旅人相手の商売をしているだけあってレストランや飲み屋は何件かあり賑わっていた。
その一つ外のテラスがあるレストランに入り通りに面したテーブルに座った。
若いウエイトレスが注文を取りに来ておすすめなど聞きながら注文しているラミンをぽーっと見つめているウエイトレスは注文を聞いてるのか聞いていないのか…?
「…と、これを。あとワインをボトルで。…おい、聞いてんのか?」
「はっ、はいっ!ワインですね!お持ちしますっ!」
顔を赤くして慌てて去っていくウエイトレスを見送りため息を着いたラミンは肘を付き通りに目線を移す。様子を伺っていた周りの女子がこっちを向いた!ときゃあきゃあ言っている。
目立つ白銀の髪、切れ長の目、薄い唇、筋の通った鼻。
美丈夫なラミンの目に留まりたいと目線の先につつつっと移動し、ほうっ、とラミンがため息をつくと女子たちまで恍惚とした顔をしてため息をつく。
周りが騒いでいるのに気にも留めずまたため息を着いたラミンにトニアスは疑問をぶつける。
「ラミン、さっきからため息ばかりついてるけど?周り見てる?女の子達がラミンを見て騒いでいるのに気にならないの?」
「あ?何が…」
全く気にしてないラミンは気だるげにトニアスに目を向けるとそれが色っぽいとまた女子が騒ぐ。
ラミンが出歩くといつもそうだったから慣れてしまって気にも留めなかったが、そう言えばミレイアと一緒に旅をしていたときはほとんどそんな煩わしいことは無かったと思い越す。
いつもミレイアが傍に居たから女子たちは近づけないでいたのを今更気付いた。
「お、お待たせしました!」
トニアスが呆気に取られてるうちに戻ってきたウエイトレスがワインと料理を持ってきた。
「ん?これは頼んでないぞ?」
おつまみを指差し見上げて来たラミンにぽっと赤くなったウエイトレスはもじもじしだす。
「あ、あの、それは私からのサービスです」
「あ、そ。そらサンキュ」
「あの良かったらこの後お話しませんか?私もうすぐ上がりなんです」
「悪いけどそんな気分じゃねえ、用が済んだら行ってくれ」
思い切って誘ったのに邪険にされてウエイトレスは顔を真っ赤にして走り去った。
まったく素っ気ない。
ワインをグラスに注ぎ一気に煽るラミンにトニアスまでもがため息。
「ラミン、ずいぶん素っ気ないよね?女の子が可哀想だよ?」
「あんなのいちいち構ってられるか」
そう言って酒ばかり飲むラミン。
いちいちってことはそれだけ声を掛けられるってことで周りが騒いでいるのも日常茶飯事なんだろう。
モテすぎて麻痺してるのではないかとちょっと羨ましいと思ったトニアスまでもがため息をついておつまみを口に放り込んだ。
「モテる男は言うことが違うね…」
ぽつりと言うとラミンはふんと鼻を鳴らす。
「お前もモテるだろうよ。可愛い顔してんだから。そこら辺の女に声を掛ければホイホイ付いてくるだろ」
「なっ!僕は可愛くなんかない!それに女性に声を掛けるなんてしない。僕にはミ…」
男なのに可愛いなんて言われたくないトニアスは、女将の言葉を引用して意地悪く言うラミンに顔を赤くしてムキになったが、言葉を切って浮かした腰をトスンと落した。