魔法の鍵と隻眼の姫
「ラミン様。晩餐の用意が整いました。国王様がご一緒するようにとのことです」
メイドがドアを開け、戸口でそう告げた。
気付けばもう日が暮れ始め薄暗い。
天蓋付きのベッドにはレースのカーテンが引かれ中は見えない。
返事をすると何事もなかったようにメイドは出ていった。
閉められるその寸前にキラキラと光るものがピュッと入って来たのには気付かない。
「もうそんな時間か。みんなにお前が目覚めた事を知らせないと」
「そうね…」
顔を見合わせている二人に矢のように飛んできた光りをラミンが咄嗟に掴んだ。
「え?」
「なんだ?」
手の中でもぞもぞと動く光りを警戒しながらも開くと掌から出てきたのは黄金に輝く妖精。
「ノニ!」
ミレイアが叫ぶと握り潰され頭がくらくらになってたノニは目をぱちくりさせてミレイアにピュッと飛び付いた。
涙を流して頬にすり寄るノニをそっと掌に乗せて目の前に持ってくると目を擦って泣きじゃくる姿にミレイアも涙を誘われた。
「ノニ、会いたかったわ。また会えて嬉しい」
泣きながらうんうん頷いたノニは堪らずまたミレイアに飛び付いて声無く泣いた。
「こいつはお前が眠っている間ずっと傍に居たそうだ。だけど俺の旅に付き合ってくれて何かと助けてもらった。大した奴だよ。ノニありがとな」
「さっきラミンから聞いたわ。トニアスお兄様も守ってくれたのでしょう?ありがとう」
二人にお礼を言われてノニは泣き笑いでうんうんと頷いた。
「さて、そろそろ行くか。皆を驚かせてやろう」
「皆に心配かけちゃったから謝らないと」
「そんなの必要無い。皆喜ぶ」
ベッドから立ち上がったラミンがミレイアの両手を取り立たせ、ナイトドレス姿を見てあっと声を上げる。
「着替えないとな、さっきのメイドを呼ぶか…」
すると、ノニが飛んできてくるくると周り目の前に留まるとまるで任せろとでも言うように胸を叩いた。
「ん?」
ラミンとミレイアが首を傾げていると、ノニは頭上へと飛び二人の上に金粉を撒き散らしながら飛び回る。
みるみるうちに体が光りそれが収まると、ラミンもミレイアも目を丸くして驚いた。
「まあ!可愛い!」
「すげぇ…」
ミレイアは薄紫に角度によって七色に変わるオーガンジーがたっぷりと重なったドレスに。
ラミンも身軽な旅姿だったのが濃紺に金糸の刺繍が施されたジュストコールに黒のパンツとブーツ姿に変わっていた。
メイドがドアを開け、戸口でそう告げた。
気付けばもう日が暮れ始め薄暗い。
天蓋付きのベッドにはレースのカーテンが引かれ中は見えない。
返事をすると何事もなかったようにメイドは出ていった。
閉められるその寸前にキラキラと光るものがピュッと入って来たのには気付かない。
「もうそんな時間か。みんなにお前が目覚めた事を知らせないと」
「そうね…」
顔を見合わせている二人に矢のように飛んできた光りをラミンが咄嗟に掴んだ。
「え?」
「なんだ?」
手の中でもぞもぞと動く光りを警戒しながらも開くと掌から出てきたのは黄金に輝く妖精。
「ノニ!」
ミレイアが叫ぶと握り潰され頭がくらくらになってたノニは目をぱちくりさせてミレイアにピュッと飛び付いた。
涙を流して頬にすり寄るノニをそっと掌に乗せて目の前に持ってくると目を擦って泣きじゃくる姿にミレイアも涙を誘われた。
「ノニ、会いたかったわ。また会えて嬉しい」
泣きながらうんうん頷いたノニは堪らずまたミレイアに飛び付いて声無く泣いた。
「こいつはお前が眠っている間ずっと傍に居たそうだ。だけど俺の旅に付き合ってくれて何かと助けてもらった。大した奴だよ。ノニありがとな」
「さっきラミンから聞いたわ。トニアスお兄様も守ってくれたのでしょう?ありがとう」
二人にお礼を言われてノニは泣き笑いでうんうんと頷いた。
「さて、そろそろ行くか。皆を驚かせてやろう」
「皆に心配かけちゃったから謝らないと」
「そんなの必要無い。皆喜ぶ」
ベッドから立ち上がったラミンがミレイアの両手を取り立たせ、ナイトドレス姿を見てあっと声を上げる。
「着替えないとな、さっきのメイドを呼ぶか…」
すると、ノニが飛んできてくるくると周り目の前に留まるとまるで任せろとでも言うように胸を叩いた。
「ん?」
ラミンとミレイアが首を傾げていると、ノニは頭上へと飛び二人の上に金粉を撒き散らしながら飛び回る。
みるみるうちに体が光りそれが収まると、ラミンもミレイアも目を丸くして驚いた。
「まあ!可愛い!」
「すげぇ…」
ミレイアは薄紫に角度によって七色に変わるオーガンジーがたっぷりと重なったドレスに。
ラミンも身軽な旅姿だったのが濃紺に金糸の刺繍が施されたジュストコールに黒のパンツとブーツ姿に変わっていた。