魔法の鍵と隻眼の姫
「ああ、とうとう産まれてしまったのじゃな」
扉を開けて入って来たのは灰色のローブを纏い目深にフードを被った人物。
顎から白く長い髭が見える。
「モリスデン…これはいったい…」
呆然と話しかける王に、モリスデンと呼ばれた老人は答えずにセイラスから姫を貰い受けた。
「おおこれは、何とも美しく禍々しい瞳…」
姫の瞳を見つめるこの老人は、この大陸唯一の大魔法使い。
全てを知り最大の魔力を持つこの男は長年この王家の相談役でもあった。
「もりー、もりー、こんどはぼくがだっこするのー」
「おおそうか、トニアス、では落とすといけないからベッドに座っておくれ。お膝に姫を置いてあげよう」
「うん!」
いそいそとトニアスが母のベッドに座りモリスデンはその膝に姫を乗せ抱かせた。
「かわいいね」
「綺麗な目だね」
セイラスが、座るトニアスの前に立って二人で姫の顔を覗き込む。
傍から見れば仲の良い兄弟の微笑ましい光景を複雑な面もちで見つめる王と王妃はモリスデンに迫った。
「モリスデン!これは、どういうことなんだ!」
肩を掴み子供たちに聞かれないように迫る王にモリスデンは引き気味。
「ま、まあ、落ち着け。今説明する」
王を何とか宥め、モリスデンは徐にフードを取り白く長い髪を晒す。
そして王と王妃に説明した。
扉を開けて入って来たのは灰色のローブを纏い目深にフードを被った人物。
顎から白く長い髭が見える。
「モリスデン…これはいったい…」
呆然と話しかける王に、モリスデンと呼ばれた老人は答えずにセイラスから姫を貰い受けた。
「おおこれは、何とも美しく禍々しい瞳…」
姫の瞳を見つめるこの老人は、この大陸唯一の大魔法使い。
全てを知り最大の魔力を持つこの男は長年この王家の相談役でもあった。
「もりー、もりー、こんどはぼくがだっこするのー」
「おおそうか、トニアス、では落とすといけないからベッドに座っておくれ。お膝に姫を置いてあげよう」
「うん!」
いそいそとトニアスが母のベッドに座りモリスデンはその膝に姫を乗せ抱かせた。
「かわいいね」
「綺麗な目だね」
セイラスが、座るトニアスの前に立って二人で姫の顔を覗き込む。
傍から見れば仲の良い兄弟の微笑ましい光景を複雑な面もちで見つめる王と王妃はモリスデンに迫った。
「モリスデン!これは、どういうことなんだ!」
肩を掴み子供たちに聞かれないように迫る王にモリスデンは引き気味。
「ま、まあ、落ち着け。今説明する」
王を何とか宥め、モリスデンは徐にフードを取り白く長い髪を晒す。
そして王と王妃に説明した。