魔法の鍵と隻眼の姫
「いつもの俺が何だって?」
不機嫌そうにミレイアの手を握りよけるラミンになんだか解らないけどふつふつと怒りが込み上げる。
「何だって?じゃないわよ!なんて無茶するの!?こんな傷つくって!こんな所であなたが死んだら私はどうしたらいいのっ!?」
手を振りほどき涙目で一気に言い切ったミレイアは肩で息をしてゼーハー言っている。
「お、おい、そんないきり立つなよ。俺の今の存在意義はお前を守る事だって言っただろ?今戦わないでいつ戦うんだよ?」
困ったような顔をしてどうどうと両手を前に出して宥めようとするラミン。
「わたしは馬じゃなーーーーい!」
ポカポカと出された手を拳で叩くミレイアはなぜ自分が怒ってるのか、何を怒ってるのか解らないままラミンを責めた。
ただ、怖かった。
ラミンが傷つくのが。あの冷たい目が・・・・。
思い出すとイライラしてこんな感情は初めてでミレイアは戸惑った。
「ああもう!」
渾身の一撃を込めた拳が抑えていたラミンの手をすり抜け胸に当たった。
「うっ!…いてえ」
何とか手で避けてたのにその一撃が傷に当たり痛みで悶える。
「はっ、ラミン!大丈夫!?」
我に返ったミレイアは悶えるラミンに縋りつく。
「あ、ああ…」
脂汗をかいて口元を引きつらせて笑うラミンを見て、ミレイアはスッと立ち上がった。
鞄を持って結界から出て行こうとする。
「おいっ…どこへ行く!?」
「水を汲んでくるだけ。すぐ戻るわ」
振り向かずに言うとミレイアは戸惑いなく結界から出て行った。
「ノニ、頼む…」
自分の周りを飛んでいたノニにミレイアに付いて行くように頼むと、ノニはうんうん頷いてミレイアを追いかけて行った。
ノニが追い付くと川の前で呆然と立ち尽くすミレイア。
よく見ると自分の服にもべったりとラミンの血が付いていて体が震えた。
ノニが心配そうに目の前に来て我に返ったミレイアがノニに桶を出してもらって水を汲む。
ラミンを失うのが怖いと思った。
痛みが引いて木の根元に寄しかかりふうっと息を吐いたころ、ミレイアは桶に水を張って戻ってきた。
ラミンの前に跪くとタオルを水に浸しラミンの顔の傷を拭った。
「いてえって、何してんだよ?」
思わずタオルを持った手首を掴むとミレイアを睨むラミンは、眉根を寄せて泣きそうな顔を見て手が緩む。
「なにって、傷の手当てをするのよ。こんな血まみれじゃ傷も見えないわ」
「・・・」
不機嫌そうにミレイアの手を握りよけるラミンになんだか解らないけどふつふつと怒りが込み上げる。
「何だって?じゃないわよ!なんて無茶するの!?こんな傷つくって!こんな所であなたが死んだら私はどうしたらいいのっ!?」
手を振りほどき涙目で一気に言い切ったミレイアは肩で息をしてゼーハー言っている。
「お、おい、そんないきり立つなよ。俺の今の存在意義はお前を守る事だって言っただろ?今戦わないでいつ戦うんだよ?」
困ったような顔をしてどうどうと両手を前に出して宥めようとするラミン。
「わたしは馬じゃなーーーーい!」
ポカポカと出された手を拳で叩くミレイアはなぜ自分が怒ってるのか、何を怒ってるのか解らないままラミンを責めた。
ただ、怖かった。
ラミンが傷つくのが。あの冷たい目が・・・・。
思い出すとイライラしてこんな感情は初めてでミレイアは戸惑った。
「ああもう!」
渾身の一撃を込めた拳が抑えていたラミンの手をすり抜け胸に当たった。
「うっ!…いてえ」
何とか手で避けてたのにその一撃が傷に当たり痛みで悶える。
「はっ、ラミン!大丈夫!?」
我に返ったミレイアは悶えるラミンに縋りつく。
「あ、ああ…」
脂汗をかいて口元を引きつらせて笑うラミンを見て、ミレイアはスッと立ち上がった。
鞄を持って結界から出て行こうとする。
「おいっ…どこへ行く!?」
「水を汲んでくるだけ。すぐ戻るわ」
振り向かずに言うとミレイアは戸惑いなく結界から出て行った。
「ノニ、頼む…」
自分の周りを飛んでいたノニにミレイアに付いて行くように頼むと、ノニはうんうん頷いてミレイアを追いかけて行った。
ノニが追い付くと川の前で呆然と立ち尽くすミレイア。
よく見ると自分の服にもべったりとラミンの血が付いていて体が震えた。
ノニが心配そうに目の前に来て我に返ったミレイアがノニに桶を出してもらって水を汲む。
ラミンを失うのが怖いと思った。
痛みが引いて木の根元に寄しかかりふうっと息を吐いたころ、ミレイアは桶に水を張って戻ってきた。
ラミンの前に跪くとタオルを水に浸しラミンの顔の傷を拭った。
「いてえって、何してんだよ?」
思わずタオルを持った手首を掴むとミレイアを睨むラミンは、眉根を寄せて泣きそうな顔を見て手が緩む。
「なにって、傷の手当てをするのよ。こんな血まみれじゃ傷も見えないわ」
「・・・」