魔法の鍵と隻眼の姫
「……」
実に簡単に誤魔化そうとしてたことを言い当てられミレイアは目を見開き言葉がでない。
魔法のある世界だ、聡い人なら簡単に思い付く事だがミレイアはあまり人と関わりを持ってこなかったからとぼければ誤魔化せると思ったに違いない。
そこは世間知らずな王女様。
嘘をつくのは苦手らしい。
しかし、ラミンは聡い方の人間だった為に容易にその結論に至った。
少し冷静になったラミンは静かに聞いた。
「一昨日の喧嘩の仲裁もそうだがお前なんか悪いものとか吸い取る魔法でも使ってるのか?」
眉をハの字にしてどこまでも心配そうに見つめてくるラミンにミレイアはため息をつき観念して話し出した。
「違うわ…魔法じゃない。生まれつき持ってる私の能力、みたいなもの」
「それは傷を治したり人の気持ちを落ち着かせたりか?」
ゆっくり首を振ったミレイアの髪の中からノニが飛び出してきた。
二人の周りを旋回したと思ったらミレイアの肩に止まりヒタヒタと頬を触ってくる。
「ノニにも心配かけたわね、ごめんね?」
ミレイアが優しく手を差し出すとその上にノニが乗ってきて小さな頬に頬擦りした。
「…さっきラミンが言ったように私は魔法じゃないけど人の負の感情を吸い取る事ができるの。傷も同じ。吸い取って私の体の中で闘って昇華する。その闘いの最中熱が出たりする訳。それも一晩眠って朝陽が出る頃には治まるから心配要らないわ」
ノニを見つめながら何でも無いように言うミレイアにラミンはため息混じりに言った。
「それでも、お前に掛かる負担は大きいんだろう?それに一昨日は喧嘩の騒動を避けて帰ろうとしてただろ?あれはどうしてだ?」
気まずそうに下を向くミレイアは口ごもりながら言った。
「少しくらいならなんともないんだけど…ああいう、負の感情を振り撒いてるような所に行くと、その、勝手に吸い取っちゃうというか、さすがに人が多くてキャパオーバーになってコントロールできないと言うか…」
「はあ!?おま、それ早く言えよ!そんなの知ってたら近付かなかったのに!」
「だ、だから早く帰ろうって言ったじゃない…」
終いには不貞腐れて頬を膨らませるミレイアを見て、まあ、自分も首を突っ込もうとしたし、と、もっと文句を言いたいのをぐっと我慢し、ラミンは1つの決定事項を告げた。
実に簡単に誤魔化そうとしてたことを言い当てられミレイアは目を見開き言葉がでない。
魔法のある世界だ、聡い人なら簡単に思い付く事だがミレイアはあまり人と関わりを持ってこなかったからとぼければ誤魔化せると思ったに違いない。
そこは世間知らずな王女様。
嘘をつくのは苦手らしい。
しかし、ラミンは聡い方の人間だった為に容易にその結論に至った。
少し冷静になったラミンは静かに聞いた。
「一昨日の喧嘩の仲裁もそうだがお前なんか悪いものとか吸い取る魔法でも使ってるのか?」
眉をハの字にしてどこまでも心配そうに見つめてくるラミンにミレイアはため息をつき観念して話し出した。
「違うわ…魔法じゃない。生まれつき持ってる私の能力、みたいなもの」
「それは傷を治したり人の気持ちを落ち着かせたりか?」
ゆっくり首を振ったミレイアの髪の中からノニが飛び出してきた。
二人の周りを旋回したと思ったらミレイアの肩に止まりヒタヒタと頬を触ってくる。
「ノニにも心配かけたわね、ごめんね?」
ミレイアが優しく手を差し出すとその上にノニが乗ってきて小さな頬に頬擦りした。
「…さっきラミンが言ったように私は魔法じゃないけど人の負の感情を吸い取る事ができるの。傷も同じ。吸い取って私の体の中で闘って昇華する。その闘いの最中熱が出たりする訳。それも一晩眠って朝陽が出る頃には治まるから心配要らないわ」
ノニを見つめながら何でも無いように言うミレイアにラミンはため息混じりに言った。
「それでも、お前に掛かる負担は大きいんだろう?それに一昨日は喧嘩の騒動を避けて帰ろうとしてただろ?あれはどうしてだ?」
気まずそうに下を向くミレイアは口ごもりながら言った。
「少しくらいならなんともないんだけど…ああいう、負の感情を振り撒いてるような所に行くと、その、勝手に吸い取っちゃうというか、さすがに人が多くてキャパオーバーになってコントロールできないと言うか…」
「はあ!?おま、それ早く言えよ!そんなの知ってたら近付かなかったのに!」
「だ、だから早く帰ろうって言ったじゃない…」
終いには不貞腐れて頬を膨らませるミレイアを見て、まあ、自分も首を突っ込もうとしたし、と、もっと文句を言いたいのをぐっと我慢し、ラミンは1つの決定事項を告げた。