魔法の鍵と隻眼の姫
「戦いが、全て悪いとは思わない。俺は、守るべきもののために戦ってきた…」
「その、守るべきものとはなんじゃ」
「今は目の前の仲間を守るために戦っていた
……だが、他に何かを守らなきゃいけない気がしていた。それが何なのかわからないが…」
徐に立ち上がった男は振り向き、モリスデンを見据える。
「俺は、ラミン、ラミン・ドリスター」
「なに?お前がドリスター家の嫡男か、なぜこんなことをしておる…」
名門ドリスター公爵家。
長年にわたり王家の宰相を務めた側近中の側近。
モリスデンはまだ子供だったラミンと会った事がなかったが、嫡男であるラミンは12歳の時突然士官学校へ行くと言いだし、他国の士官学校へ行き、卒業と同時に我が国に帰り騎士団に入るはずがそれを蹴って、傭兵となり至る国へと赴いては戦いに明け暮れる生活をしていた。
国へ帰ればその身分で騎士団長にも、父を受け継いで宰相にもなれる男がなぜこんなことをしているのか?
「12の時初めて見た悪夢に苛まれて、逃げたくて他国の士官学校に行った。強くなりたいと思った。守るべきものを守るために…俺、何してんだ?」
昔を思い起こし額に手をやるラミンはなぜ今自分はここにいるのかわからなくなっていた。
「…悪夢とは、なんじゃ?」
「赤い光の中から、手が伸びてきて俺を捕まえようとする夢だ。そして、声が聞こえるんだ。逃げろ捕まってはならぬ逃げ延びろ、と…俺は度々その夢を見てはその場から逃げた。何に追いかけられているかもわからずに衝動で飛び出したこともある。」
「なるほど、それでわしの追っ手を避け逃げ続けたわけか。師匠もお人が悪い…」
たぶん、今まで見つけられなかったのは師匠である魔女の仕業。
まるで、世界が滅ぶのを望んでいるかのようだ。
モリスデンにとっては決して悪い魔女では無かったのだが…。
「その、守るべきものとはなんじゃ」
「今は目の前の仲間を守るために戦っていた
……だが、他に何かを守らなきゃいけない気がしていた。それが何なのかわからないが…」
徐に立ち上がった男は振り向き、モリスデンを見据える。
「俺は、ラミン、ラミン・ドリスター」
「なに?お前がドリスター家の嫡男か、なぜこんなことをしておる…」
名門ドリスター公爵家。
長年にわたり王家の宰相を務めた側近中の側近。
モリスデンはまだ子供だったラミンと会った事がなかったが、嫡男であるラミンは12歳の時突然士官学校へ行くと言いだし、他国の士官学校へ行き、卒業と同時に我が国に帰り騎士団に入るはずがそれを蹴って、傭兵となり至る国へと赴いては戦いに明け暮れる生活をしていた。
国へ帰ればその身分で騎士団長にも、父を受け継いで宰相にもなれる男がなぜこんなことをしているのか?
「12の時初めて見た悪夢に苛まれて、逃げたくて他国の士官学校に行った。強くなりたいと思った。守るべきものを守るために…俺、何してんだ?」
昔を思い起こし額に手をやるラミンはなぜ今自分はここにいるのかわからなくなっていた。
「…悪夢とは、なんじゃ?」
「赤い光の中から、手が伸びてきて俺を捕まえようとする夢だ。そして、声が聞こえるんだ。逃げろ捕まってはならぬ逃げ延びろ、と…俺は度々その夢を見てはその場から逃げた。何に追いかけられているかもわからずに衝動で飛び出したこともある。」
「なるほど、それでわしの追っ手を避け逃げ続けたわけか。師匠もお人が悪い…」
たぶん、今まで見つけられなかったのは師匠である魔女の仕業。
まるで、世界が滅ぶのを望んでいるかのようだ。
モリスデンにとっては決して悪い魔女では無かったのだが…。