魔法の鍵と隻眼の姫
「うっ……くっ…ううっ……」
「どうした?大声上げて泣いてもいいんだぞ?ここならどこにも聞こえねえ」
「………ラミン、私は生きていていいの?…哀しみや悔しさが流れ込んでくる………みんな私が招いた災いだと嘆くのよ…私が…居なければ…」
くぐもる声は弱々しく嗚咽を漏らしながらミレイアは自分の生まれた意味を何故今旅をしているのかも分からなくなっていた。
「お前は何も悪くねえ、みんな己が招いた人災だ。自分のしたことを棚に上げて人のせいにしたがるような人間の言うことなんか聞くんじゃねえ」
「でも、私が生まれて来なければこの世界は平和だったかも知れない…ううっ…」
「お前が生まれてなくてもこの世界はいずれこうなってた。言っただろ?これは愚かな人間が犯した人災だ」
この渦巻く雲は人々の憎悪や憎しみ怒り妬みが蓄積され空に渦巻くようになったとモリスデンが言っていた。
なら、そんな感情を募らせていった人間がこの世界を暗黒に作り上げている。
欲深い愚かな人間が災いを招いているのだ。
「絶対にお前のせいなんかじゃない」
「私と出会わなければラミンだってこんな旅をすることもなかったわ…」
顎をすくい顔を上げさせると涙を流しながら見上げてきたミレイアの恐怖にも似た悲しげな顔。
その顔を何度か見たがなぜか苦手だった。
だけど何故なのか少しわかった気がする。
苦手なんかじゃなくそんな顔をさせたくないと思う。
こいつには笑顔でいて欲しい。
ふわりとわらう笑顔を思い浮かべ自分がその笑顔を守りたいと思う。
額同士をこつりと当て間近に見える紫の瞳を見つめる。
「お前は俺と初めて会ったとき、『運命を受け入れ私と旅をしろ、あなたに選択肢はない』と言ったんだぞ?あの時の威勢はどこへいった?」
「でも…」
「俺はお前との出会いはいい意味で運命だと思ってる。俺達の出会いを否定するなよ」
「どうした?大声上げて泣いてもいいんだぞ?ここならどこにも聞こえねえ」
「………ラミン、私は生きていていいの?…哀しみや悔しさが流れ込んでくる………みんな私が招いた災いだと嘆くのよ…私が…居なければ…」
くぐもる声は弱々しく嗚咽を漏らしながらミレイアは自分の生まれた意味を何故今旅をしているのかも分からなくなっていた。
「お前は何も悪くねえ、みんな己が招いた人災だ。自分のしたことを棚に上げて人のせいにしたがるような人間の言うことなんか聞くんじゃねえ」
「でも、私が生まれて来なければこの世界は平和だったかも知れない…ううっ…」
「お前が生まれてなくてもこの世界はいずれこうなってた。言っただろ?これは愚かな人間が犯した人災だ」
この渦巻く雲は人々の憎悪や憎しみ怒り妬みが蓄積され空に渦巻くようになったとモリスデンが言っていた。
なら、そんな感情を募らせていった人間がこの世界を暗黒に作り上げている。
欲深い愚かな人間が災いを招いているのだ。
「絶対にお前のせいなんかじゃない」
「私と出会わなければラミンだってこんな旅をすることもなかったわ…」
顎をすくい顔を上げさせると涙を流しながら見上げてきたミレイアの恐怖にも似た悲しげな顔。
その顔を何度か見たがなぜか苦手だった。
だけど何故なのか少しわかった気がする。
苦手なんかじゃなくそんな顔をさせたくないと思う。
こいつには笑顔でいて欲しい。
ふわりとわらう笑顔を思い浮かべ自分がその笑顔を守りたいと思う。
額同士をこつりと当て間近に見える紫の瞳を見つめる。
「お前は俺と初めて会ったとき、『運命を受け入れ私と旅をしろ、あなたに選択肢はない』と言ったんだぞ?あの時の威勢はどこへいった?」
「でも…」
「俺はお前との出会いはいい意味で運命だと思ってる。俺達の出会いを否定するなよ」