STAR SONG
第4章「壊れた日常」
「遡夜!おはよう。今日は寝坊しなかったんだね!」

「ああ智也。おはよ。それがさぁ、母さんに叩き起されたんだよね~いままでこんなことなかったのに……」

「まあ遅刻しなかったんだからよかったじゃん。教室行こ。」

「そうだな……。」

そういって校舎に入り、お互いのクラスに入る。智也は大丈夫だろうか。

まああいつはああみえて強いやつだからな。大丈夫だろう。

みんなと挨拶を交わしながら席に着く。そしてぼーっと外を見ていると考えてしまう。和奏はいまどうしているのだろうか。


和奏がいない教室は妙に寂しかった。教室に入り、自分の席につき、空を眺める。和奏がいないこといがいはいつもと変わらない日常。でもそれは僕にとっては非日常でしかなかった。

僕はずっと和奏に依存していた。今だってそうだ。和奏がいない教室はいつもより澱んで見える。和奏がいたからこの教室は輝いていたんだろうなとふとそんなことを思う。


和奏も僕と同じ澱んだ教室にいるのだろうか。

でも和奏は僕とは違う明るい子だ。きっと新しい友達を作って、楽しく過ごしているのだろう。そう思うと心が少し軽くなる。

でも、もし和奏が学校で恋に落ちたとしたら?その人と付き合うことになったら?そう思うと胸が苦しくて仕方ない。


何もかも捨てたっていいから今すぐに駆け出したい。そんな衝動に駆られてしまう。
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