STAR SONG
壊れゆく日常
遡夜が私のことを好きだったこと。気づいてたよ。

でも、私は智也を好きになってしまった。もちろん遡夜との方が付き合いは長い。でも、それでも私は智也がよかった。

遡夜の好意に気づいていないふりをして、ずっと3人でいれればいいと、それだけでいいと、そう思っていた。

私の恋心が、智也に届いていなくても。



あの日、遡夜のいない教室にはいるのはすごく怖かった。ドアのまえで立ちすくんでいると智也が声をかけてくれた。

「一緒に入ろう」って、そう、言ってくれた。

私のことを笑わないでくれた。私にとってそれがどんなに嬉しかったことか。

3人でずっといられる。これからもずっといられる。そう、思ってたのに。

私にはあまりに大きな2つの障害があった。

1つ目は遡夜からの告白。多分、遡夜は私の気持ちに気づいていた。私が智也のことを好きなんだって。でも、私は智也に告白はしなかった。3人の関係を壊したくなかったから。

それをチャンスだと思ったのだろう。気持ちが伝えられず終わるのならば、フラれる覚悟で告白するしかないって。

なんで、なんで壊すの?私がいままで必死に我慢して、我慢して我慢して我慢して。守り抜いてきた3人の関係を何で壊すの?遡夜と私は同じ気持ちじゃなかったのかな……

2つ目は…………
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