STAR SONG
「和奏にとっては、俺は邪魔者だったかもしれない。でも、俺は………俺はこの生活が好きだったよ……。じゃあな。」

そういって遡夜は私に背を向けて歩き出す。

「まっ……!……」

私に、待って。なんて言う資格が有るのだろうか。私の都合で、遡夜の告白を踏みにじって、2人を傷つけて。私は何がしたかったのだろう。

そのまま私は走って家に帰った。涙が溢れて止まらなかった。2人を気づつけてしまった自分に。離れなきゃいけない運命に。そして……………臆病な自分に。

そして私はここを去った。2人から遠く離れた場所に行った。


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「好きだったんだね。和奏のこと。」

そう、智也が囁くように言う。

家に帰ると智也が家に来ていた。今は俺の部屋で話し始めたところだ。

「ああ。しってたんだな。」

「ごめんね。この前和奏に告白してるとこ見ちゃってさ……」

「そっか……ごめんな。」

「なんで遡夜が謝るの?」

「………俺は壊してしまった。3人の関係をそして和奏の心を。」

「………遡夜は悪くないよ…。これは誰も……誰も悪くない。……仕方の無いことだったんだ。」

そういった智也は大粒の涙をこぼしていた。それはとまることなく智也の目からこぼれ落ちる。

「うっ………ひっく。……う、うっ。」

…………

俺は智也を抱きしめる。

「いまのうち泣いておけ。胸くらいならかしてやるよ。」

「遡夜………。うっ、うっ、うわぁぁぁぁぁ。和奏、和奏ぁぁ!!」

俺はずっと智也の背中を撫でながら、少しだけ智也の背中を濡らしていた。
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