氷のような彼は陽だまりのように暖かい
何だか頭が痛い…それに、ガヤガヤとうるさい…
「いったぁ…」
痛む頭を抑えながら起き上がればひとつの小さな部屋に私は転がっていた。
いや、部屋というより牢獄のようだ。
部屋の1面は鉄格子になっている。
「あら、目が覚めたようね?」
甲高い耳障りな声が頭に響いた。
「だ、れ…」
こわいこわいこわいこわい。
この女の甲高い声が、笑みが、存在が、私の全身を恐怖の色に陥れる。
女は牢獄の前で酷く美しく笑った。