白雨の騎士
入団
ここは自然豊かで歴史古い国、アジュール国。
王都であるトラマン州のアトリという町で先祖代々農業や酪農を営むアーデル家。
ここで幼い頃より住み込みで働いている少年の名前はシド。
「…シド!また貴族の縁談を断ったの??」
アーデル家の長女、ハンスが牧草が置いてある倉庫で昼寝をしているシドに言った。
シドはふぁっと欠伸をして起き上がった。
「ああ、あの家は代々商人だ。俺は商売には興味がないからな。」
シドの言葉にハンスははぁっとため息をついた。
「全く、毎度毎度何かと理由を付けて縁談を断るんだから。。」
シドの隣に腰かけたハンスは貴族から届いていた縁談状をくしゃっと丸めた。
シドの容姿はアトリでは有名だった。
今年で18歳になるシドには町のあちこちから縁談が届いていた。美しい銀髪に、すっと通った鼻筋。長いまつげに白い肌はまるで女性のようだった。
その容姿から、あちこちから縁談話が尽きなかったがシドは今までどれも断って来た。
「俺は騎士になりたいんだ!王宮の近衛隊員に。…ここ数年まるっきし王宮から募集がかからない。」
「仕方ないわよ。まぁ、お父様はシドが家でずっと働いてくれたら喜ぶと思うわ。」
シドは幼い頃両親を亡くし孤児院で育った。
6歳の時にアーデル家の主人に引き取られ、ここでずっと働いてきた。
同い年のハンスと分け隔てなく育ててくれた主人には心から感謝していた。
「…俺の事より、ハンスもそろそろ結婚を考えないといけないだろ?縁談が来てるって旦那様が言ってたぞ。」
シドの言葉にハンスは手をギュッと握りしめた。
「…まぁ、ね。」
ハンスはどこか寂しそうな顔をした。
シドは荷車からよっと降りた。
「募集がかかるのを待つしかない。それまでは、アーデル家の為に働くよ。」
そう言ってシドは仕事に戻って行った。
王都であるトラマン州のアトリという町で先祖代々農業や酪農を営むアーデル家。
ここで幼い頃より住み込みで働いている少年の名前はシド。
「…シド!また貴族の縁談を断ったの??」
アーデル家の長女、ハンスが牧草が置いてある倉庫で昼寝をしているシドに言った。
シドはふぁっと欠伸をして起き上がった。
「ああ、あの家は代々商人だ。俺は商売には興味がないからな。」
シドの言葉にハンスははぁっとため息をついた。
「全く、毎度毎度何かと理由を付けて縁談を断るんだから。。」
シドの隣に腰かけたハンスは貴族から届いていた縁談状をくしゃっと丸めた。
シドの容姿はアトリでは有名だった。
今年で18歳になるシドには町のあちこちから縁談が届いていた。美しい銀髪に、すっと通った鼻筋。長いまつげに白い肌はまるで女性のようだった。
その容姿から、あちこちから縁談話が尽きなかったがシドは今までどれも断って来た。
「俺は騎士になりたいんだ!王宮の近衛隊員に。…ここ数年まるっきし王宮から募集がかからない。」
「仕方ないわよ。まぁ、お父様はシドが家でずっと働いてくれたら喜ぶと思うわ。」
シドは幼い頃両親を亡くし孤児院で育った。
6歳の時にアーデル家の主人に引き取られ、ここでずっと働いてきた。
同い年のハンスと分け隔てなく育ててくれた主人には心から感謝していた。
「…俺の事より、ハンスもそろそろ結婚を考えないといけないだろ?縁談が来てるって旦那様が言ってたぞ。」
シドの言葉にハンスは手をギュッと握りしめた。
「…まぁ、ね。」
ハンスはどこか寂しそうな顔をした。
シドは荷車からよっと降りた。
「募集がかかるのを待つしかない。それまでは、アーデル家の為に働くよ。」
そう言ってシドは仕事に戻って行った。
< 1 / 219 >