白雨の騎士

「はっ!」


キィンキィンっ!!

シドは素早い攻撃で1人の男の剣を宙に上げた。


ドンっ!

剣の背で相手の腹を突き、男は蹲った。

あと2人…

キトはルカ目掛けて手をかざすと風が吹き竜巻に変わった。


ルカの身体が竜巻に飲み込まれた。


「ルカ!ルカ!!」

アンナの呼びかけに、ルカは目を覚ました。


「…くっ、はっ!!」

竜巻の目に剣を投げ込んだ。剣は床に突き刺さるとみるみる竜巻を吸い込んだ。


「はぁっはぁっはぁっ」


ルカは膝を突きどうにか持ち堪えた。


「そろそろケリをつけよう」


キトは目を閉じると体に力を込めた。

黒い煙が集まり丸い形になった。

その塊が国王と王子に向けて放たれた。


「はっ!」


シドが咄嗟に2人の前に出た。


「シド、無茶だ!!」


ドオオォンッ!!!


黒い塊はシドの体に命中した。


「闇の力は防げない。3人とも終わりだ」

キトはニッと笑みを浮かべ呟いた。


すごい力だ…

シドの意識が遠のきそうになったその瞬間


パァアアア…!!!


黒い塊から一点の白い光が刺した。

その光はどんどん大きくなり、光の柱になって黒の塊を突き抜けた。

その光がどんどん、増えていき、光の一線がキトの身体を貫いた。


「なっ、馬鹿な…この光は…」



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