白雨の騎士

ホール全体が白い光に包まれた。

アンナは何が起こったのか分からなかった。
光が消えてやっと辺りが見えるようになり立ち上がった。


シドとキトは床に倒れていた。


ルカとアンナが駆け寄った。


「国王、ルーン王子、ご無事ですか」

「我々は大丈夫だ。」

ルーン王子は先程の衝撃で膝をついている国王を支えながら言った。

「ルカ、見て」

アンナは横たわったままのシドの身体を指さした。

シドの身体に赤茶色の線が腕や首のあたりに花のようにもみえる奇妙な模様が皮膚に浮かび上がっているのだ。

「こ、これは…」

シドの身体の模様を見るとルカは驚いた顔をした。

キトも気を失っており、ルカはキトの身体に手をかざして驚いた。


「闇の力が消えている。キトはもう、闇の力を使えない。」