白雨の騎士

アリスはそんな風に言うリアを見てクスッと笑った。


「…そう言えばリアは結婚の話はあるの?」

「ええ…義理のお父様から縁談の話をされています。」

「相手はどなた??」


「…アレン様というお方です。」


アレン…アリスはその名前を聞いてもしやというような顔をした。

「…アレンって、アレン・ウィリイアムズ?!」

「え、ええ。そうです。」

まさかその名前を聞くとは思わずアリスは驚いた。

"あの"アレンに縁談話があったなんて。


「アリス様、ご存知ですか?私はまだお会いしたことはないのですが…」


「…ええ。アレンとは幼い頃からの知り合いよ。一緒に育ったようなものね。」

アリスは幼い日の頃を思い出した。

一緒に勉強したり、馬に乗ったり、絵を描いたり。

アレンの母親とアリスの母親が親しかったお陰で兄妹のようだった。



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