白雨の騎士
「シド、もう今日は休んでいい。明日はリア様は離宮で過ごされる。アリス様は湖の先にある森で森林浴をなさるそうだ。シドが護衛で付いて行ってくれないか。」
「森林浴ですか。」
「アリス様はこの離宮に来ると必ず森へ行かれる。だが森はここから馬車ですぐだ。シドだけで問題はない。宜しく頼むよ。」
「分かりました。」
シドも用意された部屋に戻って休んだ。
部屋の窓から星空を眺めた。王宮にいた時より空が高く広く見える。
ここへ来てまだ半日だが、自然と身体の疲れが癒やされているように思った。
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翌日リアは朝から畑に作物を見に出て、アリスは森へ向かうため馬車に乗り込んだ。
「はっ、」
馬車が出発し、シドも馬で後を追った。
少し走ると大きな森が見えて来た。
馬車が止まり、アリスは降りた。
「すみません、ちょっと良いですか」
シドも馬を降りると、馬車の御者がシドに声をかけた。
「馬車の車輪のネジが緩んでるようです。この辺りの道は整備されていないので、念のため離宮に戻って修理してきます。」
「分かりました。」
そう言って修理のため馬車は離宮に戻って行った。