白雨の騎士
「…ねぇ、シドは魔法使いなの?」
アリスはアナモネアから帰る途中、馬車の中でソフィアから聞いた。
シドがキトの闇の力を封印したと。
「…分かりません。。でも僕が光の力を使った事は間違いないようです。」
シドは手のひらをじっと見ながら答えた。
「…そう。。」
アリスはそれ以上は聞かなかった。
シドがあまり浮かない顔をしたから聞かない方がいいのだろうと思った。
ピカッ!!!
「ひゃっ?」
すると、雷が光り近くでゴロゴロと大きな音がした。
アリスはびっくりして耳を両手で塞いだ。
「…近くで落ちたようですね。」
雨で辺りが白くなり視界が悪くなって来た。
ピカ!ゴロゴロ…
「っ!!」
再び雷が光った途端、アリスは思わずシドに身体を寄せた。
「大丈夫ですか」
シドは優しくアリスの背中を撫でた。