白雨の騎士
シドはアーデル家へ向かう途中、昨日のアート隊長から言われた事を思い返していた。
「…ハデス家へですか?」
「ああ。魔法のことならハデス家が一番よく知っている。ルカもいるし、それに当主のアテクシという人に話してみるといい。私からルカへはシドが尋ねるかもしれないと伝えておいた。」
アートの言葉にシドは少し考えた。
ハデス家の人ならウォルドーフ家やこの光の力の事が分かるかもしれない…
シドは二日間、アーデル家に滞在する予定を明日にハデス家へ行くことに決めた。
ハデス家は王都からは遠い。アートが気を遣って休みをあと2日伸ばしてくれた。
久しぶりにアーデル家でゆっくりする予定だったが、この間の一件からずっと心の中がモヤモヤしている。
何か分かるのであれば、早く知りたい…
そんなことを考えている内にアーデル家に到着した。
家の戸をノックするとハンスがドアを開けた。
「シド!お帰りなさいっ」