白雨の騎士
従姉妹のマリア
シドが城の近衛として働き始めて2ヶ月が過ぎようとしていた。
アリスの結婚相手にと募集されたという事も忘れてしまうくらい毎日忙しく働いていた。
今日は毎年行われる新しい薔薇のお披露目会だ。
王宮では毎年新種の薔薇が育てられており、その薔薇を眺めながらお茶会が開かれている。
「…今年の薔薇も素晴らしい」
「この薔薇の種は今年は隣国のユリ王妃へ贈られるようですわ。」
問題なくお茶会が進められていると、外の門の方から数名がこちらへやって来た。
すると、静かにお茶を飲んでいたアリスが急に立ち上がった。
「…マ、マリア?!」
やって来たのは、ブラウンの髪を一つに纏め、シンプルなドレスに身を包んだ一人の女性。
彼女の登場に皆が驚いた表情をしている。
あの人は誰だ…?
シドが彼女を見ていると、アンナが耳元で囁いた。
「アリス様の従姉妹のマリア様だ。3年前に勉学のため他国へ留学していたんだ。帰ってくるという報告はなかったはずだが…」
マリアは王族達の前に出ると、深々と頭を下げた。
「皆様、お久しぶりでございます。」
ガタンッ!
すると、王の弟であるエルド様が立ち上がり険しい表情をした。
じっとマリアを見つめると、何も言わずにその場を後にした。
アリス様の従姉妹…
エルド様の娘という事か…
出て行ったエルドを見て、マリアはふぅっと小さく溜息をついた。
「…マリア!どうしていきなり…帰ってくるなら連絡くらいしなさい」
アリスは立ち上がり、マリアに抱きついた。
その光景を見て、シドは驚いた。
物静かなアリス様のあんな姿、、初めて見た。
アリスの結婚相手にと募集されたという事も忘れてしまうくらい毎日忙しく働いていた。
今日は毎年行われる新しい薔薇のお披露目会だ。
王宮では毎年新種の薔薇が育てられており、その薔薇を眺めながらお茶会が開かれている。
「…今年の薔薇も素晴らしい」
「この薔薇の種は今年は隣国のユリ王妃へ贈られるようですわ。」
問題なくお茶会が進められていると、外の門の方から数名がこちらへやって来た。
すると、静かにお茶を飲んでいたアリスが急に立ち上がった。
「…マ、マリア?!」
やって来たのは、ブラウンの髪を一つに纏め、シンプルなドレスに身を包んだ一人の女性。
彼女の登場に皆が驚いた表情をしている。
あの人は誰だ…?
シドが彼女を見ていると、アンナが耳元で囁いた。
「アリス様の従姉妹のマリア様だ。3年前に勉学のため他国へ留学していたんだ。帰ってくるという報告はなかったはずだが…」
マリアは王族達の前に出ると、深々と頭を下げた。
「皆様、お久しぶりでございます。」
ガタンッ!
すると、王の弟であるエルド様が立ち上がり険しい表情をした。
じっとマリアを見つめると、何も言わずにその場を後にした。
アリス様の従姉妹…
エルド様の娘という事か…
出て行ったエルドを見て、マリアはふぅっと小さく溜息をついた。
「…マリア!どうしていきなり…帰ってくるなら連絡くらいしなさい」
アリスは立ち上がり、マリアに抱きついた。
その光景を見て、シドは驚いた。
物静かなアリス様のあんな姿、、初めて見た。