白雨の騎士
「…マリア様、美人だったなー」


休憩中、ルイが言った。

「シンプルな服装だけど、王族としての品が内側から出ているような。アリス様でなく、マリア様の目にとまり結婚という手もあるな。」


ルイの言葉にシドは呆れてため息をついた。



「今夜はマリア様の歓迎会か?」


「その予定だ。そろそろ行かなくては」


シドは剣を腰に差して部屋を出た。


マリアの部屋に付いてドアをノックしようとした時、中から王弟殿下のエルド様の声が聞こえて来た。


バタンッ!!!


すると勢いよく扉が開い開いた。


「…いきなり他国へ留学すると出て行き、今度は結婚を決めただと?!ふざけるな!お前はどれだけ俺の顔に泥を塗れば気がすむのだ!!王の弟としての私の立場をわきまえろ!!」


顔を赤くして怒鳴りつけながらエルド様が中から出て来た。


け、結婚…?


「…結婚等、認めない。お前はこのままこの城に残るのだ。いいな。」


そう言い捨て、エルド様は去って行った。



シドがその場に立ち尽くしていると、マリアが出て来た。


「…ごめん、入って。」


シドはまずい時に来てしまったと思ったが、取り敢えず言われるがまま中に入った。
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