白雨の騎士
食事会の会場へ着くと、既に王やアリス達は着席していた。

その中にエルド様の姿はなかった。

シドがドアを開けると、マリアが耳元で呟いた。


「聞いてくれてありがとう。スッキリしたよ。」


そう言って、自分の席に着いた。



食事の最中、いつになくアリスが楽しそうにしていた。


こうしてみると、二人はよく似ていて本当に姉妹のようだった。


きっと、マリア様が留学すると出て行く時、アリス様はとても心細かったんだろうな。



「…マリア。今回はどの位滞在する予定なのだ?」


国王の問いかけに、アリスを含め皆が注目した。


「…まだ、決めていなくて。。」


「そうか。まぁゆっくりしていきなさい。それと、エルドとはしっかり話をするように。」


優しく言う国王にマリアは少し表情を暗くし頷いた。


食事会が終わると、帰ろうとするマリアをアリスが引き止めた。


「温室に行こう。」


「いいわよ。あなたも付いてきて?」

マリアはシドを見て言った。


「…分かりました。」
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