白雨の騎士
「…私達、王族ってさ生まれた時から人生が決まってるじゃない。」

噴水が流れる音が静かに温室に響いた。


「…私は昔から知りたい事が多かった。国を出て、知らない世界を見て、本当にびっくりしたの。」


アリスはマリアの横顔を見つめた。


「…私ね、結婚しようと思うの。」


マリアの言葉にアリスは驚いた。


「…け、結婚って…」


「…ここに居る時は親が決めた顔も知らない、会ったこともない人と結婚するんだと思っていた。だから、人を想う気持ちなんて知らなかった。でも、国出て色々なことを学んだ。そして、生まれて初めて人を好きになった。」


「それを報告しに帰ってきたの?」


マリアはコクンと頷いた。


「…そう。。それで叔父上は食事会に来ていなかったんだね」


「もちろん反対されたわ。まぁ、許してもらえるとは思ってなかったけど。。」

シドは二人の話を聞きながら、空を見上げた。


王族っていうのは、毎日したい事をして、裕福に何不自由なく暮らして居るんだと思っていた。


カタッ

すると背後から物音が聞こえ振り返ると、兵士とともにエルドの姿が。

シドは驚き声を出そうとすると、エルドは人差し指を口に当てた。

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