白雨の騎士
剣術大会
王宮では年に一度近衛たちの腕を競う剣術大会が開催される。
王族や貴族たちの前で、トーナメント式で戦い見事一位になった者は近衛隊長として一目置かれるようになる。
現隊長のアートはこの大会において過去に三度優勝経験がある。
「…あーあ。剣術大会っつっても俺たちは見てるだけか。」
軍服に着替えたルイはダルそうに溜息をついた。
剣術大会に出場出来るのは、近衛として1年城で 働いた者だけだった。
今回シドやルイには出場資格はないのだ。
「まぁ、見学だけでもいい勉強になるよ。」
会場へやって来ると、既に王族や貴族たちが集まっていた。
その中にアリスの姿もあった。
シドはアリスを見つけるとこの間の夜のことを思い出した。
涙を流すアリスを前に咄嗟に抱きしめてしまったことを。
何故抱きしめたりしたんだろう…
あんな無礼を働いてしまい、シドはアリスに合わせる顔がなかった。
剣術大会開始の花火がパンパンと上がった。
「…国王様、今年も始まりましたね。」
オーギストの言葉に国王は出場者一覧表を眺めた。
「オーギスト。シドと言う名の近衛を知っておるか?」
「シド…?えー、今回の出場者の中にその名前はありませんね。」
オーギストはペラペラと一覧表を見渡した。
「彼はまだ出場資格はありませんね。」
国王は腕を組み何やら考え込んだ。
「オーギスト。そのシドという近衛を今回の大会に出場させるのだ。」
「は、はい…?分かりました。すぐに手配を。しかし、また何故…?」
オーギストの問いかけに国王はふっと笑みを見せた。
王族や貴族たちの前で、トーナメント式で戦い見事一位になった者は近衛隊長として一目置かれるようになる。
現隊長のアートはこの大会において過去に三度優勝経験がある。
「…あーあ。剣術大会っつっても俺たちは見てるだけか。」
軍服に着替えたルイはダルそうに溜息をついた。
剣術大会に出場出来るのは、近衛として1年城で 働いた者だけだった。
今回シドやルイには出場資格はないのだ。
「まぁ、見学だけでもいい勉強になるよ。」
会場へやって来ると、既に王族や貴族たちが集まっていた。
その中にアリスの姿もあった。
シドはアリスを見つけるとこの間の夜のことを思い出した。
涙を流すアリスを前に咄嗟に抱きしめてしまったことを。
何故抱きしめたりしたんだろう…
あんな無礼を働いてしまい、シドはアリスに合わせる顔がなかった。
剣術大会開始の花火がパンパンと上がった。
「…国王様、今年も始まりましたね。」
オーギストの言葉に国王は出場者一覧表を眺めた。
「オーギスト。シドと言う名の近衛を知っておるか?」
「シド…?えー、今回の出場者の中にその名前はありませんね。」
オーギストはペラペラと一覧表を見渡した。
「彼はまだ出場資格はありませんね。」
国王は腕を組み何やら考え込んだ。
「オーギスト。そのシドという近衛を今回の大会に出場させるのだ。」
「は、はい…?分かりました。すぐに手配を。しかし、また何故…?」
オーギストの問いかけに国王はふっと笑みを見せた。