白雨の騎士
「…怪我は大丈夫か?初出場でベスト8は大した出来だ。それと、アリス様はどうした?」


「…医務室長のヘレナさんが部屋まで送って行きました。」


アンナはじっとシドの顔を見つめた。


シドは思わず、目を逸らした。


そんな様子のシドを見てアンナは何も聞こうとはしなかった。


「…今日はもう部屋に戻るんだ。明日からの稽古は怪我の具合をみて行うように」

それだけ言ってアンナは去って行った。

シドは何故かほっとした。


「…アンナ隊長が見逃しても、俺はそうはいかないぞ。今夜は宴がある。じっくり聞かせてもらうからな」


肩を組んで言うルイにシドは溜息をついた。
< 69 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop