親友以上彼女未満
A定食は、ご飯にお味噌汁におかずと言う、シンプルな定食。

値段も500円と、ワンコインで食べられるから、結構重宝している。


「あっ、私は御蕎麦にしよう!」

真理恵ちゃんは、シンプルなざる蕎麦を選んだ。

「たまに麺類、食べたくなるんですよね。」

そう言って真理恵ちゃんは、ペロッと舌を出した。

可愛い。

はっきり言って、可愛い。

どこで失った?

この、女子としての可愛らしさ。


列に並んで、それぞれ頼んだ物を受け取る。

「席はどうするんですか?」

真理恵ちゃんは、辺りをキョロキョロしている。

「ああ、私は窓側のカウンターに、いつも座ってる。」

「じゃあ、そこに行きましょう。」

真理恵ちゃんと二人で、一番奥にあるカウンターに座った。


「やった、お昼だ。」

箸を持って、ズルズルお蕎麦をすする真理恵ちゃんを見ると、何だろう。

奢ってあげたくなる。

いやいや、私は女だし。
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