親友以上彼女未満
「そんなわけないじゃん。真理恵ちゃん、分かってないなぁ。」

そう言って哲平は、食べ終わった食器を、片付けに行った。

しばらくして、真理恵ちゃんが、私の顔を覗き見る。


「北里さん。絶対、里麻さんの事好きですよ。」

「ええ!なんで?」

突然の真理恵ちゃんの発言に、今までにないくらい、体が飛び上がった。

「だって、里麻さんが遊ばれてるかもしれないって言った時、北里さん、すごく怒ったじゃないですか。」

なぜか私の胸の奥が、トクンッと胸打つ。

なんだ?この感じ。


「里麻さんは、北里さんの事、どう思ってるんですか?」

「どうって?」

「男として好きですか?彼氏として、見れます?」

真理恵ちゃんの大きな瞳が、私の顔をじーっと見つめる。

「……哲平は、友達だよ。」

「ええっ?あんなに仲いいのにですか?」

「まあ、友達って言うより親友?もう同志みたいなものよ。」

「へえ……」

意味深な表情で、真理恵ちゃんは私を見続けた。
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