親友以上彼女未満
「あのさ、人の情報他所から仕入れないでよ。」

「他所から仕入れないで、どうやって仕入れるんですか。」

哲平は、半ば嫌みそうに言ってくる。

「私に直接聞けばいいじゃん?」

哲平の顔に、パソコンのライトが当たる。


「何、言ってんの。彼氏持ちが。他の男と遊んでる暇なんて、今の里麻にないでしょ。」

そりゃ、そうだ。

付き合って1か月って、一番イチャイチャしている時期だよ。

でも、何だろうね。

哲平との間には、彼氏がいてもいなくても、変わらないと思ってた。


「……親友なんだから、関係ないんじゃない?」

「親友?」

哲平のキーボードが、パチンッと響いた。

「本当に、親友だと思ってんの?」

ギィッと椅子が回る音がして、哲平がこっちを向いた。

真剣な眼差し。

ドキッとした。


「じゃあ、あの夜。友達なのに、俺としたんだ。」

私の頭の中が、真っ白になった。
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