親友以上彼女未満
私達の行きつけの店までは、会社から歩いて5分くらい。

いつもは20人弱で押し寄せる私達なのに、今日は二人きり。

ちょっと、デートみたいだ。


「二人だから、端の席でいいか。」

4人掛けのテーブル。

奥にある小上がりの、大きなテーブルと違って、より二人きり感が増してくる。


「最初、何飲む?」

「私、チューハイ。」

「はいはい。レモンチューハイだろ。」

さすが哲平。

私がいつも飲んでるお酒を、一発で言い当てる。


「哲平は、芋焼酎だよね。」

私も負けじと、哲平の好きなお酒を言った。

「いや、俺今日は、ビールにするわ。」

まだ始まったばっかりなのに、落ち込む私。


なんで?

なんで今日に限って、ビールなの?


しばらくして、哲平が頼んだビールと、私が頼んだチューハイが届くまで、私はしばらく立ち直れなかった。

お互いが、お互いの事を知ってる~~、って、やりたかったのに!
< 37 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop