親友以上彼女未満
私は金魚が、酸素を吸うみたいに、口をパクパクした。

「なのに、次の日には『昨日の夜、何時に帰った?』って、しっかり朝までいました!」

「ご、ごめん……」

「飲み終わった缶の後片付けもして、着ている服も畳んでやって、起こさないようにそうっとベッドも出て。」

「きゃああ!本当にごめんなさい!」

私は改めて、哲平に手を合わせた。

「なのに、覚えてないし。返事はないし。他の男と付き合うし!すぐに別れちまうし!!」

もう私は、哲平に土下座するしかない。


「本当に、どうお詫びをしたらいいものか。」

私はテーブルに両手を着いた。

「あーあ。どう詫びて貰おうかな。」

哲平は、芋ロックを飲んで、少し酔っぱらってますかね……


「何でもします。パシリでも。何なら、ここのお会計、私が払わせて頂きます。」

「そんなんじゃ、済まされない。」

あっ、終わった。

もうこうなったら、私は哲平の奴隷になるしかない。
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