親友以上彼女未満
そう言えば哲平って、彼女いるんだっけ。

いるって話も、聞いてない。

こんな事になってからじゃないと、気にならないなんて、どれだけ男として見てないんだ!?


「なあ、」

「は、はい!?」

まずい。

すごい上ずった声で、答えちゃった。


「……おまえ、大丈夫かよ。」

「な、何が?」

体を引きながら、ドキドキしている。

「大体、一度寝たぐらいで……」

「ウソッ!!」

思わず大きな声を出してしまう。


周りが”何?”って顔で、私達を見ている。

「ああ、ごめんごめん。みんな、マニュアルインして。」

スタッフの皆には、あくまで冷静に、仕事の準備を促す。

そのくせ、一番冷静じゃないのは、私だったりして。


やっぱり、Hしてた?

マジ!?

私が小さくため息をつくと、哲平が頭の後ろをスカーンと叩いてきた。

「痛いな、もう!」

頭の後ろを押さえながら、哲平の方を向く。
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