親友以上彼女未満
「嘘だよ。」

「えっ?」

もう一度聞き直しているのに、哲平はそれ以上、何もなし。

この1分間。

私はものすごく悩んだのに。

この60秒を返せ!


「って言うか、そんなに気になる?」

「気になる。」

そりゃあ、”一線を越えたかどうか”なんて言葉があるくらいなんだからさ。

「一度くらい、誰だって間違いはあるって言ってなかったっけ?誰かさん。」

「私が?そんな事、言ってた?」

「言ってた、言ってた。」

この期に及んで、サバサバ女装っていたのが、仇になった!?


本当は一線を越えたら、付き合ってるみたいな?

いや、付き合ってなかったとしても、付き合おうって、言ってくれるのが、男じゃない!?


「で?正直に教えてほしいんだけど。」

「ちょっと、ごめんね。フォロー行くわ。」

哲平は急に立ち上がり、手を挙げているスタッフさんの元に行く。

< 8 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop