霧の魔法
第2話
トモダチ
「おはよう!」
「おう、おはよ。」
「なんだよ宙、元気ねえじゃん?」
「ん?そうか、普通だよ。」
「おいおい、俺とおまえはガキの頃からの幼馴染(おさななじみ)だろ。おまえの調子は一目見ればわかるんだよ。」
「美樹生(みきお)・・・おまえには嘘つけねぇな。」
「やっぱ・・・で?どうした?」
「ん?あぁ、まぁなんていうか・・・。」
「なんだよ。それじゃわかんねぇよ。」
「あぁ、つまり・・・なんだよ。思春期ってことかな。」
「なんだそりゃ?ん・・・あぁ!まさか、女?」
「ん?まぁ。」
「マジで?!出来たの彼女?」
「違うよ。出来てりゃ悩まんだろ。」
「そっか・・・じゃあ、片思いってやつ?」
「んん・・・まだよくわかんないんだけど。」
「ふーん、なにどこのコよ?うちの学校?」
「いや、たぶん西高。」
「マジ?じゃあ、おまえより頭いいじゃん。」
「んなこと関係ねえだろ。そりゃうちよりランクは上だけど。」
「ふーん、じゃあ、なに、優等生タイプ?おまえそういうの趣味だったっけ?まさかメガネっ娘とか?!」
「俺はオタクかよ。アキバ系じゃねぇってーの。」
「そっか、まぁそういうタイプじゃないな。でも、じゃあ、どんなコよ。」
「んーなんていうのかな。背が小さくて、でも、けっこう顔立ちがはっきりしてて、見方によっては美人系。」
「なんかよくわからんなぁ。例えばタレントとか、誰似?」
「タレント?ん~誰だろ?最近のコじゃいないなぁ。」
「女優とかは?」
「女優?ん~、あぁ、蒼井恵。」
「蒼井恵?あぁ、あの人ね。わかるけど、目がクリッとしててかわいい感じ?」
「うん、笑ってる顔がかわいい。でも、黙ってると美人。」
「ふーん、マジで惚れたな。おまえが何かに夢中な時って前見えてないから、わかるよ。」
「どういう意味だよ。マジでかわいいんだよ。」
「実物を拝まないとな。それにおまえの趣味ってイマイチわからんから。」
「じゃあ、会わせてやるよ。」
「え?会えるの?片思いじゃないわけ?電車男みたいに声もかけられないみたいな。」
「違うよ。話も出来るし、メルアドだって知ってるよ。」
「え?メルアドゲットしてんの?じゃあ、全然OKじゃん。片思いじゃねぇじゃんよ。」
「違うんだよ。でも、彼氏いるんだよ。彼女には。」
「え?なにそれ?わけわからん。」
「だから話すと長くなんだけど・・・。」
宙は美樹生に今までのいきさつを話した。
「へぇ、そんな出会いってあるんだ。でも、彼氏の誕生日プレゼントを買いに行かされたのが初デートかよ。」
「デートじゃねぇよ。」
「悪い悪い。怒んなよ。でも、次に会えるのはそのハンカチ返す時で、それ返したらサヨナラだろ?」
「ん・・・たぶんな。」
「たぶんな。ってそれで言いわけ?」
「いいも悪いも仕方ないじゃん。どうしようも出来ないし。」
「どうしようも出来ないじゃねぇだろ。とっちゃえよ。その彼氏から。」
「どうやって?それに彼氏も西高だろうし・・・勝ち目あるわけないじゃん。」
「恋は学歴ですんじゃねぇだろ。男ならビシッと決めてこいよ。」
「ビシッとも何も、相手は俺のことなんてなんとも思ってないし、どうしようもねぇだろ。」
「なにビビッてんだよ。よし!ハンカチ返す時、俺がついていく。その絵羽ちゃんにコクれ。」
「おいおい、なんでいきなりコクるんだよ。意味わかんねぇじゃん。嫌がられるに決まってるだろ。」
「そんなのやってみなきゃわかんねぇだろ。もしかしたら彼氏とうまくいってないかもしれないし。」
「ありえない。だって誕生日に彼氏の名前入りのカップ作るんだぞ。しかも五千円もすんだぞ。おまえ好きでもない女に五千円も使うか?」
「そりゃ使わんけど。でも、必ずしも二人の関係がハッピーとは限らんだろ。」
「そりゃそうだけど・・・とにかく今度あってコクるなんてできねぇよ。」
「うーん、じゃあ、せめてもう一回会う口実を作れ。」
「どうやって?」
「うーん。ハンカチ借りたお礼にお茶でも奢るからとかなんとかいってさ。」
「お礼?なんか変じゃない?」
「変じゃないよ。いきさつはともかく、ハンカチを借りたのは確かだし。お礼は変じゃない。」
「そっかなぁ。まぁ、いいや、試してみるよ。」
「いつ返すんだよ?」
「夕べ洗濯したから。もう乾いてるだろうし。今日メールして明日にでも会えれば会うよ。」
「ふーん。」
「おい?なんか企んでない?」
「え?なにが?何いってんの宙ちゃん。」
美樹生は、にやりと笑って宙の肩をポンっと叩いた。
「あやしい・・・。絶対何か企んでる。」
「めっそうもない。さっ授業始まるよん!」
「・・・・。」
「おう、おはよ。」
「なんだよ宙、元気ねえじゃん?」
「ん?そうか、普通だよ。」
「おいおい、俺とおまえはガキの頃からの幼馴染(おさななじみ)だろ。おまえの調子は一目見ればわかるんだよ。」
「美樹生(みきお)・・・おまえには嘘つけねぇな。」
「やっぱ・・・で?どうした?」
「ん?あぁ、まぁなんていうか・・・。」
「なんだよ。それじゃわかんねぇよ。」
「あぁ、つまり・・・なんだよ。思春期ってことかな。」
「なんだそりゃ?ん・・・あぁ!まさか、女?」
「ん?まぁ。」
「マジで?!出来たの彼女?」
「違うよ。出来てりゃ悩まんだろ。」
「そっか・・・じゃあ、片思いってやつ?」
「んん・・・まだよくわかんないんだけど。」
「ふーん、なにどこのコよ?うちの学校?」
「いや、たぶん西高。」
「マジ?じゃあ、おまえより頭いいじゃん。」
「んなこと関係ねえだろ。そりゃうちよりランクは上だけど。」
「ふーん、じゃあ、なに、優等生タイプ?おまえそういうの趣味だったっけ?まさかメガネっ娘とか?!」
「俺はオタクかよ。アキバ系じゃねぇってーの。」
「そっか、まぁそういうタイプじゃないな。でも、じゃあ、どんなコよ。」
「んーなんていうのかな。背が小さくて、でも、けっこう顔立ちがはっきりしてて、見方によっては美人系。」
「なんかよくわからんなぁ。例えばタレントとか、誰似?」
「タレント?ん~誰だろ?最近のコじゃいないなぁ。」
「女優とかは?」
「女優?ん~、あぁ、蒼井恵。」
「蒼井恵?あぁ、あの人ね。わかるけど、目がクリッとしててかわいい感じ?」
「うん、笑ってる顔がかわいい。でも、黙ってると美人。」
「ふーん、マジで惚れたな。おまえが何かに夢中な時って前見えてないから、わかるよ。」
「どういう意味だよ。マジでかわいいんだよ。」
「実物を拝まないとな。それにおまえの趣味ってイマイチわからんから。」
「じゃあ、会わせてやるよ。」
「え?会えるの?片思いじゃないわけ?電車男みたいに声もかけられないみたいな。」
「違うよ。話も出来るし、メルアドだって知ってるよ。」
「え?メルアドゲットしてんの?じゃあ、全然OKじゃん。片思いじゃねぇじゃんよ。」
「違うんだよ。でも、彼氏いるんだよ。彼女には。」
「え?なにそれ?わけわからん。」
「だから話すと長くなんだけど・・・。」
宙は美樹生に今までのいきさつを話した。
「へぇ、そんな出会いってあるんだ。でも、彼氏の誕生日プレゼントを買いに行かされたのが初デートかよ。」
「デートじゃねぇよ。」
「悪い悪い。怒んなよ。でも、次に会えるのはそのハンカチ返す時で、それ返したらサヨナラだろ?」
「ん・・・たぶんな。」
「たぶんな。ってそれで言いわけ?」
「いいも悪いも仕方ないじゃん。どうしようも出来ないし。」
「どうしようも出来ないじゃねぇだろ。とっちゃえよ。その彼氏から。」
「どうやって?それに彼氏も西高だろうし・・・勝ち目あるわけないじゃん。」
「恋は学歴ですんじゃねぇだろ。男ならビシッと決めてこいよ。」
「ビシッとも何も、相手は俺のことなんてなんとも思ってないし、どうしようもねぇだろ。」
「なにビビッてんだよ。よし!ハンカチ返す時、俺がついていく。その絵羽ちゃんにコクれ。」
「おいおい、なんでいきなりコクるんだよ。意味わかんねぇじゃん。嫌がられるに決まってるだろ。」
「そんなのやってみなきゃわかんねぇだろ。もしかしたら彼氏とうまくいってないかもしれないし。」
「ありえない。だって誕生日に彼氏の名前入りのカップ作るんだぞ。しかも五千円もすんだぞ。おまえ好きでもない女に五千円も使うか?」
「そりゃ使わんけど。でも、必ずしも二人の関係がハッピーとは限らんだろ。」
「そりゃそうだけど・・・とにかく今度あってコクるなんてできねぇよ。」
「うーん、じゃあ、せめてもう一回会う口実を作れ。」
「どうやって?」
「うーん。ハンカチ借りたお礼にお茶でも奢るからとかなんとかいってさ。」
「お礼?なんか変じゃない?」
「変じゃないよ。いきさつはともかく、ハンカチを借りたのは確かだし。お礼は変じゃない。」
「そっかなぁ。まぁ、いいや、試してみるよ。」
「いつ返すんだよ?」
「夕べ洗濯したから。もう乾いてるだろうし。今日メールして明日にでも会えれば会うよ。」
「ふーん。」
「おい?なんか企んでない?」
「え?なにが?何いってんの宙ちゃん。」
美樹生は、にやりと笑って宙の肩をポンっと叩いた。
「あやしい・・・。絶対何か企んでる。」
「めっそうもない。さっ授業始まるよん!」
「・・・・。」