霧の魔法
宙は、放課後少しドキドキしながら絵羽にメールをしてみた。ほどなく返事が返ってきた。
《了解です。明日大丈夫だよ。時間も五時でOK!楽しみにしてるね。じゃ!(^_-)-☆弟へ姉より。》
「弟へ?姉より?なんじゃそりゃ?あははは、子ども扱いじゃん。」
隣で盗み見をしていた美樹生が笑った。
「うるせぇな。言ったろ、店で馬鹿にされたって。」
「聞いてたけど、おっかしいな絵羽ちゃんって。」
「なんだかなぁ。やっぱ望み薄でしょ。弟扱いじゃ。」
「そうでもねぇよ。ほら、女って精神年齢はやっぱ上じゃん。だから、逆に母性本能くすぐる感じでいったらいいかも。」
「母性本能?おまえ、勉強できねぇくせにそういうことだけは言葉よく出てくんな。」
「ほっとけ!宙が心配だから言ってやってるんだろ。」
「わかったよ。じゃあ、とにかく明日会ってくる。で、お茶誘ってみるよ。」
「ほいほい。がんばれよ。じゃ、俺部活行くから。」
「おう、じゃあな。また明日。」
そのまま家に帰った宙は家の手伝いで仏具店の店番をしていた。
「よう、宙!」
部活帰りの美樹生が店に来た。
「なんだ、美樹生?なんか用?」
「あぁ、えっと明日って、ほら、絵羽ちゃんと会うの。ショッピングモールのとこだよな?」
「え?そうだけど・・・やっぱ、なんか企んでるだろ?」
「いやいや、別に。ちょっと心配だったからさ。」
「なんだそれ?わけわからん。あ?まさか来る気じゃないだろな?」
「いやいや、そんなことするわけないじゃん。でも、宙見せてくれるって言ったよな?」
「いや、やっぱ無理。別に彼女でもないんだから会わせるなんてできるわけないじゃん。」
「ふーん、そう。ま、いいや。じゃあ疲れたから帰るわ、俺。」
「なんだ?何しに来たんだおまえは?まぁ、いいや、気をつけてな。」
「おう!じゃ明日。」
「明日!」
『明らかに美樹生は何か企んでいる。でも、美樹生とは幼稚園からの付き合いだから、あいつが悪い奴でないことはよくわかってる。中学の時も俺が好きになったコになかなかコクれないでいたら、美樹生が変わりに話をしてきてくれて、結局はふられたんだけどその後「ごめんな。」て何度も謝って一緒に泣いてくれた。気がいい奴だ。』
部屋に戻った宙は干してあるハンカチを手に取ると、そっと匂いを嗅いだ。
「俺は何やってんだ。変態か・・・そうだ!」
「お袋!アイロンある?貸して!」
「アイロン、何すんの?ズボンにあてるならやってやるよ。」
「いいよ。自分でやる。」
「ん?押入れの中だよ。やけどすんなよ。」
「大丈夫だよ、ガキじゃねえんだから。」
「ったく、都合のいいときは大人にも子どもにもなるんだねぇ。いいねぇ高校生は。」
「うるさいなぁ。とにかく借りるよ。」
「はいはい、使ったらちゃんとしまっとくんだよ。」
「はいはい。」
宙は小学校の家庭科以来アイロンを使った。
「こんな感じかな。おぉ、上出来。ピシッとしたな。これなら絵羽ちゃんも喜んでくれるかな。・・・って別に絵羽ちゃんのもの返すのに喜ぶわけないか・・・ははは。」
宙は、なぜか浮かれている自分がおかしくなった。
《了解です。明日大丈夫だよ。時間も五時でOK!楽しみにしてるね。じゃ!(^_-)-☆弟へ姉より。》
「弟へ?姉より?なんじゃそりゃ?あははは、子ども扱いじゃん。」
隣で盗み見をしていた美樹生が笑った。
「うるせぇな。言ったろ、店で馬鹿にされたって。」
「聞いてたけど、おっかしいな絵羽ちゃんって。」
「なんだかなぁ。やっぱ望み薄でしょ。弟扱いじゃ。」
「そうでもねぇよ。ほら、女って精神年齢はやっぱ上じゃん。だから、逆に母性本能くすぐる感じでいったらいいかも。」
「母性本能?おまえ、勉強できねぇくせにそういうことだけは言葉よく出てくんな。」
「ほっとけ!宙が心配だから言ってやってるんだろ。」
「わかったよ。じゃあ、とにかく明日会ってくる。で、お茶誘ってみるよ。」
「ほいほい。がんばれよ。じゃ、俺部活行くから。」
「おう、じゃあな。また明日。」
そのまま家に帰った宙は家の手伝いで仏具店の店番をしていた。
「よう、宙!」
部活帰りの美樹生が店に来た。
「なんだ、美樹生?なんか用?」
「あぁ、えっと明日って、ほら、絵羽ちゃんと会うの。ショッピングモールのとこだよな?」
「え?そうだけど・・・やっぱ、なんか企んでるだろ?」
「いやいや、別に。ちょっと心配だったからさ。」
「なんだそれ?わけわからん。あ?まさか来る気じゃないだろな?」
「いやいや、そんなことするわけないじゃん。でも、宙見せてくれるって言ったよな?」
「いや、やっぱ無理。別に彼女でもないんだから会わせるなんてできるわけないじゃん。」
「ふーん、そう。ま、いいや。じゃあ疲れたから帰るわ、俺。」
「なんだ?何しに来たんだおまえは?まぁ、いいや、気をつけてな。」
「おう!じゃ明日。」
「明日!」
『明らかに美樹生は何か企んでいる。でも、美樹生とは幼稚園からの付き合いだから、あいつが悪い奴でないことはよくわかってる。中学の時も俺が好きになったコになかなかコクれないでいたら、美樹生が変わりに話をしてきてくれて、結局はふられたんだけどその後「ごめんな。」て何度も謝って一緒に泣いてくれた。気がいい奴だ。』
部屋に戻った宙は干してあるハンカチを手に取ると、そっと匂いを嗅いだ。
「俺は何やってんだ。変態か・・・そうだ!」
「お袋!アイロンある?貸して!」
「アイロン、何すんの?ズボンにあてるならやってやるよ。」
「いいよ。自分でやる。」
「ん?押入れの中だよ。やけどすんなよ。」
「大丈夫だよ、ガキじゃねえんだから。」
「ったく、都合のいいときは大人にも子どもにもなるんだねぇ。いいねぇ高校生は。」
「うるさいなぁ。とにかく借りるよ。」
「はいはい、使ったらちゃんとしまっとくんだよ。」
「はいはい。」
宙は小学校の家庭科以来アイロンを使った。
「こんな感じかな。おぉ、上出来。ピシッとしたな。これなら絵羽ちゃんも喜んでくれるかな。・・・って別に絵羽ちゃんのもの返すのに喜ぶわけないか・・・ははは。」
宙は、なぜか浮かれている自分がおかしくなった。