10年の日記
5.回想③
今日は学校をおやすみする。ちょっとお熱があるみたい。
マンションの一つ下の階に住んでいるりゅうくんってい
うお兄ちゃんにあたしの連絡帳を学校まで持って行ってもらう。
何回りゅうくんに連絡帳を持って行ってもらったかなぁ?
母の字はなんだかぐにゃぐにゃしていて読めないけれど、先生には読めるらしい。
母と先生とのお手紙のやりとりがどんどん連絡帳に溜まっていく。
でも家の中で長い時間ぼんやりと過ごすのってなんかつまんない。
そんなことを考えながらひたすら暇して過ごしているうちにりゅうくんが連絡帳を持って帰ってきてくれた。
母がりゅうくんにいつもありがとうと言ってる声が聞こえる。
こうしてあたしは学校を休む日があったり、ちゃんと行く日があったりしながら、穏やかに進んでいく時間に身を任せて、のんびりと生活していた。