タイトル考え中
Ⅱ.過去の真実

今日はテスト返しだったからか、授業が終わるのがとても早く感じられた。


「はづ、帰ろう!せっかく今日ははづの誕生日なんだから今年こそはどこかに寄ってお祝いしていくのはどう?」


はづがすこし期待を込めて私に聞いてくる。

7月11日。そう、今日は私の誕生日。でも…


明日香も事情を知っているからこそ私に"提案"という形で聞いてくるだけで、決定事項として言うことは決してしない。


「ありがとう、でもごめんね。まだね、どうしてもそういう気分になれないんだあ…」

「うん、いいよ。そんなことだろうなとは思ってた。」


そう言って明日香は少し悲しげに微笑んでくれる。


「はいこれ。今年の誕生日プレゼント。はづ、お誕生日おめでとう!ちゃんと使ってね。」


そう言いながらプレゼントを手渡してくれた。


毎年、明日香は誕生日にはプレゼントに誕生日と結びつきにくい消耗品みたいなものを準備してくれる。ハンカチだったり、ノートだったり、普段から普通に使えるもの。

今年はシャーペンと消しゴムと付箋。私の好みをしっかりとつついてくる。


私が心から自分の誕生日を祝えないことを知っていて明日香はいつも気遣ってくれる。そんな明日香には本当にあたまが上がらない。


「ありがとう、早速明日から使うね!」

「うん!じゃあ行ってきな。ちゃんと暗くなる前には帰るんだよ。」

「うん、わかってる。ありがとう。じゃあ行くね、ばいばい。」

「ばいばーい、また明日!」


私達は校門の前で別れた。
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