偽物の恋をきみにあげる【完】
また少し時間が空いて、次のメールが送られてきた。

『月ちゃんが北瀬虎太朗と恋愛してくれるかは賭けだったけど、ま、ゆーても虎太朗は俺だし、大丈夫だろってw

瑠奈が恋愛ゴッコのこと全く覚えてないのは誤算だった。好きなの? って訊かれてまじ焦った。
あの時、泣かせてほんとごめん。

虎太朗と俺の「半年」がズレてる件については、残念ながらお答えできません。
ま、そもそも俺、半年経ってないけど笑

とにかく5ヶ月間? めっちゃ楽しかった。
ありがとう。

つーか、瑠奈の傍にいられる「大雅くん」のターンは終了させて、残りは虎太朗に任せようと思ってたのにな。これからどうしよ笑

あと1ヶ月あるのに、勝手に終わらせてごめん。
連絡、無視してほんとごめん。

俺さ、お前に再会してお前と過ごして……。
すげー幸せだった。
だから、俺の銀河鉄道の行き先を、変えてみたくなったんだ。

というわけで、予定より早いけど恋愛ゴッコは終わりね。
瑠奈には会いません。

だって俺、瑠奈ともう一度恋愛したいから』


……銀河鉄道の行き先を変えたい?

私ともう一度恋愛したいから、私には会わない?

後半、何を言っているのか全然わからない。

わかるのは、とにかく大雅が、この恋愛ゴッコを終わらせようとしていることだけだ。
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