偽物の恋をきみにあげる【完】
日曜日、私は寝ては起き、またすぐ寝ては起き、を繰り返していた。

馬鹿みたいに眠たかった。

もしかしたら、妊娠している影響で眠くなるのかもしれないし、食事をきちんと取っていないから、体力が落ちているのかもしれない。

とにかく目を覚ましても、またすぐに眠りの世界に入った。

まるで現実逃避しているようだ。

いっそ、このまま逃げてしまいたかった。


けれど夕方。

手に握ったままのスマホが、ブンブンと震えた。

「大雅!?」

そう叫んで、通知をタップする。

『月ちゃん、生きてる!? なんかあった?』

DMは、サユユからだった。

ずっとサイトを放置しっぱなしの私を、心配して連絡をくれたのだ。

その優しさに、私は思わずすがりついた。

「どうしようサユユ、大雅がいなくなっちゃう」

『待って、月ちゃん。ちゃんと聞くから、落ち着いて話して』

サユユにそう言われて、私は今までに起きたことを、掻い摘んで説明した。

『そっか、大雅くんが……』

「うん」

『月ちゃん、大丈夫?』

「大丈夫じゃない」

サユユが優しい言葉をかけてくれるから、私はさらに彼女に甘えてしまう。

「何もしたくないの。もうずっと眠ってたいよ」
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