偽物の恋をきみにあげる【完】
3度目は、10年振りに再会した日。

ある日突然、余命1年を宣告されて、もうどうでもいいやって思ってたあの時、俺は月奈に再会した。

運命のいたずらってヤツだ。

月奈は中学の頃とあんまり変わってなくて、相変わらずまんまるい顔してた。

「大河(たいが)、ちょーちょー会いたかったあ」

アイツが本当に嬉しそうに笑うから。

闇に閉ざされた筈の俺の世界が、急に明るく照らされた気がした。

だから、欲が出た。

人生の最後をコイツと過ごせたら、めちゃくちゃ幸せなんじゃないかって。


不思議だけど、結局俺は月奈のことを、何度でも好きになる。

別に美人じゃないし、おっぱいちっちゃいし、勝ち気だし、素直じゃないし。

でも俺、どうしても月奈がいいみたい。
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