あのね、好きなんだよ。
「俺は、ねーちゃんが好きだよ。」
言いながら、そばにある缶ビールを飲んだ。
「言い聞かせなくていいんだよ。誤魔化さなくていいの。
人の心に絶対なんてない。
ちっちゃい時から、あんたの周りにはわたししかいなかった。
だから、わたしが一番に見えていただけ。」
わたしは、いろんなものを見て、君のことが大好きになって、君のことが大切になった。
でも君は、世界を知って、いろんなものを見て、わたし以外の人を見つけた。
「ただ、それだけなんだよ。」