無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「私はティアナ様のことを信じます。
短い期間ではありますが、ずっとこの目でティアナ様のことを見てまいりました。
怪しい行動など何もなかったとわかっています」

【ナタリー……】

「オスカーの動向は私が責任を持って探りましょう」

ナタリーの言葉に国王は深く息をつくと、ティアナの出した要望全てをのむと宣言した。

「ティアナ嬢、まず目先の問題として王家への侮辱ともとれる行動を起こそうとしている者を捕らえる必要がある。
よってそちらを優先するが万が一にもティアナ嬢が不穏な動きをした、もしくは何事か企んでいることが判った暁には婚約者候補と言えども断罪も免れない。
よいな?」

【覚悟の上でございます】

そう言った瞬間、剣呑な雰囲気を出していた国王がふっと眉を下げて微笑んだ。

「ティアナ嬢が我々にとっての危険分子でないことを祈っている」

その言葉に、深く頭を下げる。
調査をした結果などはティアナが指定した約一週間後にユアンを含め話すことになり、退室を許可されアレクシスとナタリーと共に謁見の間を出る。

廊下に出て扉を閉めた瞬間、ティアナは足の力がなくなりその場にペタリと座りこんだ。
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