無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
夕食後、ナタリーと共に謁見の間に行くと前回と同じ国王、王妃、アレクシス、それにユアンがすでにいてティアナ達を待っていた。

「ティアナ嬢。先日言われた通りにオスカーの身辺調査、並びにオスカー、ブリュッケル公爵、クリスティーネ嬢の動向も調査した」

国王の言葉に頷くと国王は一人一人の顔を見て、さらに言葉を続けた。

「オスカーの家族は母親しかいなく、その母親も病弱で治療を必要としている。
それは王宮で勤めるときに申告はあった。
そして、そのオスカーの動向の調査はナタリーが請け負っていたな?」

「はい。
オスカーはティアナ様の身辺調査をしていたようです。
各使用人にアレクシス殿下の婚約に至るまでの流れ。
ティアナ様が何か隠している様子がなかったか、おかしな動きをしていたことはないかなど聞き回っていたようです」

「それで、使用人達はなんと?」

「婚約に至るまでの流れはただ一言、アレクシス殿下の理想の方そのものだったからでしょうと皆が言ったそうです。
隠している様子もおかしな行動も見たことがなく、逆に中庭で動物に囲まれている姿を見て癒されるくらいだと」

淡々と話すがその内容は少し恥ずかしい。
ティアナはほんの少し照れてしまい視線を泳がせた。
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