無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「そして、ブリュッケル公爵は最近その荒くれ者達を集めているそうです」

「それは、新たな税の徴収か何かかしら?」

「そこまではまだ……しかし、穏便ではないのは確かかと」

「オスカーにブリュッケル公爵……ティアナ嬢絡みなのだろうか……」

もはや疲れはてた感じの国王に同情の念すら覚えてしまいティアナは眉を下げた。
すると王妃が、クリスティーネ嬢の動向はどうなってるのかしら?と聞きユアンが手を上げた。

「それは私の補佐であるクルトに調査させました」

「まあ、フライハイト国の方が……?」

驚き目を丸くする王妃に、私にとってしても、婚約者候補のティアナに関することですから。とユアンはウインクしていた。

「新しい執事見習いとして潜入させ、クリスティーネ嬢の動向を見張らせましたが、ほとんど疑わしい行動はとっていなかったようです。
ただ一つを除いては、ですが……」

「ただ一つ?それは何かしら?」

「クリスティーネ嬢お得意の“泣き落とし”と“おねだり”です」

「“泣き落とし”と“おねだり”……?」

何だそれは。とアレクシスが眉を潜めるとユアンは、女性が使う最大の技だよ。と言った。

少し違う気がする……。とティアナは思いながらも黙って成り行きを見守っていた。
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