無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
【私は、香水をつけたことはありません。
お化粧はお手入れ程度はしますが、ドレスも装飾品も持っておりませんし、さほど興味はありません。
ご覧の通り声は出ませんが、お喋りは好きな方です。
地位目的の媚び方……と言うのはあまりよくわかりません】
ふむ……。とアレクシスは悩む。
まったく話さないのも面白味はないし、地位目的かそうでないかはそのうち判断できるだろう。
チラッと宰相を見ると何故か勝ち誇ったような顔をしていて面白くはない。
だが、これを逃せばまた見合いだなんだとうるさくなるのは目に見えているし、どうせ相手にするなら害がなさそうなティアナでもいいような気がした。
意を決したアレクシスはティアナと宰相を交互に見つめると、深く頷いた。
「確かに、今のところ俺が出した条件通りの人物のようだ」
「で、では……」
「婚約、とまではいかないが、今のところ候補者としてならいいだろう」
「あ、ありがとうございますっ!」
やりましたな、ティアナ殿!と宰相は潤んだ瞳でティアナの両手を握る。
よくわかってなさそうなティアナは、こくこくと頷き、やがて首を傾げた。
この状況をわかっているのだろうか、と少し疑問に思ってしまった。
お化粧はお手入れ程度はしますが、ドレスも装飾品も持っておりませんし、さほど興味はありません。
ご覧の通り声は出ませんが、お喋りは好きな方です。
地位目的の媚び方……と言うのはあまりよくわかりません】
ふむ……。とアレクシスは悩む。
まったく話さないのも面白味はないし、地位目的かそうでないかはそのうち判断できるだろう。
チラッと宰相を見ると何故か勝ち誇ったような顔をしていて面白くはない。
だが、これを逃せばまた見合いだなんだとうるさくなるのは目に見えているし、どうせ相手にするなら害がなさそうなティアナでもいいような気がした。
意を決したアレクシスはティアナと宰相を交互に見つめると、深く頷いた。
「確かに、今のところ俺が出した条件通りの人物のようだ」
「で、では……」
「婚約、とまではいかないが、今のところ候補者としてならいいだろう」
「あ、ありがとうございますっ!」
やりましたな、ティアナ殿!と宰相は潤んだ瞳でティアナの両手を握る。
よくわかってなさそうなティアナは、こくこくと頷き、やがて首を傾げた。
この状況をわかっているのだろうか、と少し疑問に思ってしまった。