無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
「なるほど、今までクヴェルで療養していたのか……しかし、クヴェルには何度か捜索隊が向かったと聞いたが?」
「クヴェルはティアナさんの育った場所だと聞いております。
騒動の最中大怪我を負った貴女を匿うのは当然のことでしょう」
一週間の意識不明、さらに二週間の療養の話に二人は納得したように深く頷いていた。
そんな大変な時に傍にいれなかったことを悔しく思いながら、真っ直ぐ前を見つめるティアナを見た。
「ティアナ嬢、我が国は婚約者候補であったそなたを襲った罪を裁くためにブリュッケル公爵家の身柄をこちらに引き渡すように要請中だ。
だが、裁きはしても国民はシュトルツ国に持った不信感を完全に無くすことはないであろう……当初、そなたが提案した計画通りに事を進めなければ」
【はい、そのためにできる限り早く参上した次第でございます】
「……危険を顧みない、そして揺るぎないその信念。
我が国の皇太子妃に是非とも欲しいものだが……」
国王のその言葉にティアナは眉を下げた。
恐らく、彼女の中では相手はもう決まっているのだろうけれど、どこか一歩踏み出せないでいるようなそんな彼女をユアンはじっと見つめていた。
「クヴェルはティアナさんの育った場所だと聞いております。
騒動の最中大怪我を負った貴女を匿うのは当然のことでしょう」
一週間の意識不明、さらに二週間の療養の話に二人は納得したように深く頷いていた。
そんな大変な時に傍にいれなかったことを悔しく思いながら、真っ直ぐ前を見つめるティアナを見た。
「ティアナ嬢、我が国は婚約者候補であったそなたを襲った罪を裁くためにブリュッケル公爵家の身柄をこちらに引き渡すように要請中だ。
だが、裁きはしても国民はシュトルツ国に持った不信感を完全に無くすことはないであろう……当初、そなたが提案した計画通りに事を進めなければ」
【はい、そのためにできる限り早く参上した次第でございます】
「……危険を顧みない、そして揺るぎないその信念。
我が国の皇太子妃に是非とも欲しいものだが……」
国王のその言葉にティアナは眉を下げた。
恐らく、彼女の中では相手はもう決まっているのだろうけれど、どこか一歩踏み出せないでいるようなそんな彼女をユアンはじっと見つめていた。